請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 1205 件名 私立幼稚園・認定こども園を始めとした幼児教育の充実と発展に関する請願
要旨  現在、幼稚園児の約八八%が私立幼稚園に通っており、私立幼稚園は幼児教育において極めて重要な役割を果たしている。子供の成長発達において、子供同士の育ち合い、子供一人一人に対する教師のゆとりを持った関わりは不可欠なものである。加えて、多様な支援を必要とする子供が近年増加しており、一人一人により時間を掛けて対応することが求められる状況となっている。二〇一九年十月から父母負担は無償化されたが、幼稚園の教育条件を整えるための費用は以前のまま大きくは拡充されていない。二〇一五年から子ども・子育て支援新制度が実施されているが、一クラス当たりの園児数などの設置基準は六十七年間改善されないままである。義務標準法が改正され、小学校においては学年進行ながらクラス定員が六年生まで三十五人とされることになったにもかかわらず、幼稚園では三歳児までを含めて現行の一クラス三十五人のままである。これでは子供たちの安全・安心を守ることはできない。また、子供たちの安全・安心の確保には、教職員が命と生活を脅かされることなく笑顔で子供たちに向き合えるという教育労働条件が欠かせず、そのためには教職員の大幅な増員が必要である。しかし、劣悪な労働条件が放置されたままのため、幼稚園教諭志望者が減少し教員を募集しても応募がない状況であり、このままでは幼稚園教育の崩壊を招きかねない。子供たちが安心して成長できるよう一刻も早く幼稚園の教育条件、教育労働条件の改善を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、私立幼稚園の経営安定、安全・安心な保育ができる教育条件の改善のために、経常費助成補助を大幅に増額すること。
二、どの子も幼児教育を受けることができるよう父母負担を軽減するために、私立幼稚園や認定こども園に関わる費用は完全に無償化すること。
三、教職員の労働条件改善のために、人件費に充当される補助項目を拡充すること。
四、行き届いた幼児教育を行うために、幼稚園設置基準を三歳児十五名、四・五歳児二十名以下のクラス定員に改正すること。
五、「子ども・子育て支援新制度」へ移行した園において、教育・保育条件が現行水準より後退しないように、職員確保のための助成の拡充や、公定価格の増額を進めること。
六、幼児教育への株式会社の参入を認めないこと。

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