請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 843 件名 病気(がん)による高校生の学校生活と進級などに関する請願
要旨  健康な子供たちを対象とした一律の基準に当てはまらないからと病気のつらい治療を終えた子供を高校生活から排除するのではなく、本人の希望に寄り添った環境で高校生活を楽しみ同級生と共に歩んでいけるようにすることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「高校生活とがん治療の両立のための教育サポートブック」を全ての高校に常備してがんを発病した生徒とその保護者に渡すとともに、高校の管理職、担任、学年教諭及び養護教諭も発病の早い段階で目を通し、教育を継続することの意義や病気(がん)に対する理解を持つようにすること。その上で在籍高校の教科担任との速やかな連絡体制とその対応者を明確に定めて、学業の後れを取り戻すサポートや進級できるための手だてを計画して教育委員会に報告すること。教育委員会は、文部科学省などから出されている通達や冊子の内容が実施され適切な体制が計画されているか確認し、各校の校長判断ではなく全国どの高校でも同じサポートが受けられるようにすること。
二、公立・私立どの高校でもオンライン授業を単位認定材料として実施すること。進級できない場合も単位を持って転学できるように、一つでも多くの単位を取得できる手だてを受けられるようにすること。原級留置(留年)とする場合には、計画がどのように実行され何を根拠に原級留置を決定したかを教育委員会に報告すること。子供が望む場合、できるだけ通っていた高校で同じ学年の友達と一緒に卒業できるようにすること。
三、学校復帰時、学校関係者は病児とがん経験者にどう接してよいか分からない他の生徒の間に入って、病児とがん経験者が孤立することがないように心のケアを行うこと。
四、がんを乗り越えていく事例のみでなく、再発・転移や晩期合併症など不安な気持ちで生活しているがん経験者にも寄り添ったがん教育を行うこと。
五、通信制高校で課題やレポートを作成する力を付けるために十分な対面・WEB授業が行われているか見直しが必要であり、オンライン併用型でも開設している教科の授業や課題を指導できる人員・方法の確保を義務化するとともに、別料金なく分からない生徒が質問できる体制を構築すること。また、費用の高い私立の通信制高校は家計に大きな負担となることから、公立の通信制高校を増やし入学した生徒が普通に卒業できる手厚い指導体制を確立すること。

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