新件番号 | 283 | 件名 | 学校現業職の民間委託を推進するトップランナー方式の撤回と学校現業職員の法的位置付けを求めることに関する請願 |
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要旨 | 学校現業職員は、学校の施設・設備の安全を日々点検し、教育環境の整備を行い、心と体の健康を育む給食調理、食と農の教育を支える農場作業、障害のある子供を支える介助などの業務に携わっている。さらに、教員や様々な職種の職員と連携し、年間の行事を配慮しながら教育活動を支える業務に取り組んでいる。二〇一一年三月、東日本大震災が発生したとき、被災地の学校では児童・生徒の安否確認はもとより地域の避難住民の世話などに教員・養護教諭・事務職員・現業職員などあらゆる職種の教職員が一丸となって全力を尽くした。学校は、正に子供や地域住民の安全・安心のよりどころである。ところが、学校現業職員の法的身分は、高校・特別支援学校は学校教育法において「その他必要な職員を置くことができる」との規定にとどめられ、教職員定数を定めている義務・高校標準法にも位置付けられていない。そのため、正規から非正規への置き換えや民間委託化が進行しており、学校現業の仕事を不安定にし、安全・安心で快適な教育環境をつくることを困難にしている。二〇一六年度から導入された地方交付税算定に関わるトップランナー方式の対象業務に、学校現業職員の業務である学校用務員事務や学校給食の調理業務が含まれている。学校用務員事務については、経費水準の段階的な引下げとともに、経費区分を従来の人件費から委託料などに振り替える見直しも行われ、民間委託化へ一層強く誘導する政策が取られている。二〇二〇年度から会計年度任用職員制度が始まり、課題はあるが非正規職員の待遇が改善された。しかし、この制度により学校現業職員の非正規化が更に加速している。学校現業職員の果たしている役割を鑑みれば、民間委託や非常勤職員ではなく、正規職員を配置することが望ましいのは明らかである。安全・安心な教育環境を整え、子供たちに行き届いた教育を保障するため、学校に正規の学校現業職員を必ず配置できるよう法制化することを求める。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、学校現業職員を学校教育法、義務・高校標準法などに明記し、正規職員として配置できるよう法制化すること。 二、当面、学校現業職を担う会計年度任用職員については、正規職員との待遇の均衡を図るよう地方自治体に指針を示すこと。 三、学校現業職の民間委託を推進するトップランナー方式を撤回すること。 |