請願

 

第212回国会 請願の要旨

新件番号 151 件名 タクシー労働者の生活保障、地域公共交通維持を求めることに関する請願
要旨  コロナ禍による大幅な減収で二〇二一年のタクシー労働者の年収は平均で約二百四十九万円となり、正規雇用労働者の全産業平均約四百九十五万円の半分にまで落ち込み、四十三道府県では二百万円台となっている。生活維持のために公的支援資金の借入れなどでしのいできた人が限界に達し、返済のめどが全く立たない状況も見られる。エッセンシャルワーカーとしての任務を果たしながらも生活できる賃金が得られないため、労働者の離職が年齢を問わず急増して歯止めが掛かっていない。タクシー事業の廃業なども多数発生し、地方では運行にも支障が生じて国民の移動する権利(交通権)を保障する地域公共交通を維持することが困難な事態となっている。また、この機に乗じた危険なライドシェア導入に道を開かせてはならない。こうした深刻な事態を打開するため、緊急に特別な手だてが必要である。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、コロナ禍で困窮するタクシー労働者を救済するため、直接現金給付など非常事態に対応する緊急措置を採ること。
二、タクシー労働者の最低賃金法違反を直ちに一掃するとともに、運転者負担の解消、累進歩合制度の廃止、改善基準告示違反の長時間労働の是正を図ること。
三、タクシー労働者の社会的水準(全産業平均と同等以上)の労働条件確立に向け、需給調整、適正な運賃確立など環境整備を図ること。
四、コロナ禍で困難に陥っているタクシー事業を救済する緊急措置として、減収分の補填など直接的な支援措置を採ること。
五、地域公共交通を維持するため、乗合タクシー・デマンド交通などへの補助金を大幅に増やし、地方自治体・事業者への啓発・指導・援助を強めること。
六、障害者、病気療養中の人、高齢者、妊産婦らがタクシーを利用する際に運賃を補助する制度を国の責任で設けること。

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