新件番号 | 106 | 件名 | 保険でより良い歯科医療を求めることに関する請願 |
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要旨 | 口の中の病気は、虫歯と歯周病が二大疾患と言われている。これらの病気は歯を失う原因にもなるが、心血管疾患や糖尿病、肺炎などの病気に影響し、全身の健康を損なう原因にもなる。ただし、虫歯や歯周病は歯科医院を定期的に受診することで予防することができ、歯科健診を受けることで早期発見することもできる。しかし、歯の治療が必要でも多くの人が受診できていない。その主な理由として、忙しくて受診する時間がない、お金が心配で歯科医院に行きにくいなどが挙げられている。高齢者や障害者など、通院が困難で受診できない人も多くいる。また、学校歯科健診で不正咬合(こうごう)を指摘されても、歯科矯正が必要な場合には健康保険が利かず、費用が高いことから治療を諦めてしまうこともある。歯科医療が必要な全ての人に提供されることは、基本的人権に由来した健康に生きる権利(健康権)、憲法第二十五条で保障された国民の権利である。国には、社会保障として誰もが必要な歯科医療を受けられるようにする責任がある。また、歯科における医療費が長年にわたって低く抑えられているために、歯科医院や歯科技工所の経営はますます厳しくなっている。入れ歯やかぶせ物を製作する歯科技工士や口腔(こうくう)衛生管理の専門職である歯科衛生士に対する診療報酬制度での評価が極めて低いため、働き続けることが困難になっており、特に歯科技工士は存亡の危機にさらされている。保険でより良い歯科医療を実現するためには、窓口負担割合の軽減、保険が適用される範囲の拡大と併せて、診療報酬制度での評価の引上げも必要であり、それらを実現するためには国の予算確保が必要である。さらに、コロナ禍などによる経済的負担増、度重なる健康保険料などの引上げで歯科受診を控える人が増えている。 ついては、全ての人が安心して歯科治療を受けられるよう、次の事項について実現を図られたい。 一、お金の心配をせず、安心して歯科医療が受けられるよう、窓口負担割合を下げること。 二、健康保険で受けられる歯科治療の範囲を広げること。 三、歯科医療の充実に必要な国の予算を大幅に増やすこと。 |