請願

 

第211回国会 請願の要旨

新件番号 1599 件名 公務・公共サービス拡充に関する請願
要旨  新型コロナウイルスの感染拡大や頻発する自然災害などによって国民の命・暮らし、権利が脅かされる下で、公務・公共サービスに対する国民からの期待が高まっている。しかし、公務職場はこれまでの過剰な定員削減により人的体制が脆弱(ぜいじゃく)化し、職員の恒常的な長時間労働、超過勤務に依存しながらの運営を余儀なくされている。その劣悪な労働環境は、若者の公務員離れを招いている。国家公務員は少しずつ増員が図られているものの、国民からの期待やニーズに応えるためには、依然として極めて不十分な体制である。取り分け、この間の増員は国民と直接向き合う地方出先機関まで行き届いていない。背景にあるのは、政府の総人件費抑制方針に基づく定員管理政策である。国家公務員の定員は、一九六九年に制定された行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)によって上限が厳しく規制されている。その上、国家公務員の総人件費に関する基本方針で定員の合理化に強力に取り組むとされ、国の行政機関の機構・定員管理に関する方針で毎年二%(五年で一〇%)以上を合理化することが基本とされている。二〇二〇年度から二〇二四年度までの定員合理化目標数では、約三・一万人が削減されることとなっている。また、二〇二五年度から二〇二九年度にかけての合理化目標数が二〇二四年夏頃に通知されることも想定され、このまま定員合理化が進められれば、国民からのニーズに応えうる公務・公共サービスを提供できなくなるおそれもある。今年の四月からは定年延長制度がスタートしているが、定年延長に伴う新規採用者の確保のための定員措置も不可欠である。国民の命・暮らし、権利を守るために、行政運営に必要な人員の確保によって、公務・公共サービスを拡充することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)」を廃止するとともに、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針(定員合理化計画)」を撤回すること。
二、二〇二五年度からの合理化目標数を策定・通知しないこと。
三、国家公務員の増員によって国民の命・暮らし、権利を守るために必要な行政体制を確保すること。

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