請願

 

第211回国会 請願の要旨

新件番号 1142 件名 国土交通行政を担う組織・体制の拡充と職員の確保に関する請願
要旨  国土交通省は、気象庁や観光庁などの外局を含め、国土の総合的かつ体系的な利用、開発と保全、社会資本整備、交通政策、気象業務、地理空間情報の推進を役割・機能とし、経済社会と国民生活に影響の大きい政策を担っており、その役割は極めて重要である。全国で多発する自然災害において、全国の地方整備局や北海道開発局では、緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)を被災自治体や現場へ派遣して被害拡大の防止や被災地の早期復旧の支援活動を行い、気象庁では、地方自治体と連携して様々な警報や注意報を発表するなどの防災行政を行っている。また、防災・減災のため欠かせない堤防・橋りょう・道路・港湾・空港などの公共インフラは老朽化の課題が深刻になっており、国の責任で適切な維持管理や補修を行わなければ国民生活に重大な影響を与える危険がある。こうした防災・減災の取組を確実に進めるためには、国土交通行政の体制を更に拡充していく必要がある。交通運輸関連では、行き過ぎた規制緩和によって事業者間の過当競争を招いたほか、事業を優先し安全を軽視する事業者の参入が後を絶たず、軽井沢スキーバス事故や知床遊覧船事故などが発生しており、公共交通機関の利用者やそこで働く労働者の安全確保が喫緊の課題となっている。また、地方では少子高齢化などを理由とした公共交通機関の撤退により、住民の足の確保が困難になるなどの課題が生じている。さらに、政府が観光立国の実現としてインバウンドや地方活性化へ向けた政策を進める中で、国内外を結ぶ航空交通の著しい増加に対応するための体制確保、旅行者が移動する際の安全の確保も急務である。これらのことから、国民の交通権を保障し安全・保安体制を強化するためには、運輸行政の体制を拡充する必要がある。また、国土交通行政には、それぞれの分野で専門的な知識・技量を持つ人材の育成を行う教育機関や基礎研究を担う研究機関などの独立行政法人があり、その組織・体制と運営費交付金の拡充も必要である。以上のように、国民の安全・安心を守り、国民の要望に応え信頼される行政サービスを提供するために、国土交通行政を担う組織・体制の拡充と必要な職員の確保を強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国土交通行政(気象庁・観光庁など外局を含む)を担う組織・体制を拡充し、必要な職員を確保すること。
二、国土交通省が所管する独立行政法人機構の拡充と職員の確保を行うとともに、運営費交付金を増額すること。

一覧に戻る