請願

 

第211回国会 請願の要旨

新件番号 1131 件名 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願
要旨  二〇一五年一月に施行された難病の患者に対する医療等に関する法律(以下「難病法」という。)によって、我が国の難病対策は、法的根拠を持つ総合対策として新しく出発した。難病法第二条の基本理念では、難病患者が地域社会において尊厳を持って生きることができるよう、共生社会の実現に向けて、「難病の特性に応じて、社会福祉その他の関連施策との有機的な連携に配慮しつつ、総合的に行われなければならない」と定め、第四条の厚生労働大臣が定めた基本方針では、「難病は、一定の割合で発症することが避けられず、その確率は低いものの、国民の誰もが発症する可能性があり、難病の患者及びその家族を社会が包含し、支援していくことがふさわしいとの認識を基本として、広く国民の理解を得ながら難病対策を推進することが必要である」としている。国及び地方自治体が、この基本的な推進方向に沿った難病対策の総合的な推進と国民への周知を進め、適切な医療や教育を受けられることで成人となり、社会参加の可能性が広がってきた難病や疾病のある子供たちも含めて未来に希望を持てるよう一層の努力をするとともに、難病以外の長期慢性疾病の患者・家族も地域で格差なく安心して暮らすことのできる社会の実現に向けて有機的連携を図りながら総合的な対策を推進するよう求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、未診断疾患を含めた難病の原因究明、治療法の早期開発、診断基準と治療体制の確立を急ぎ、指定難病対象疾病の拡大を進めること。
二、長期にわたり治療を必要とする難病や長期慢性疾病の患者と家族が地域で尊厳を持って生活していくことができるように、医療費を始めとする経済的負担の軽減を図ること。また、創薬などへの患者・市民参画(PPI)を推進するとともに、国民への難病に対する理解と対策の周知を進め、福祉サービスの提供、人材の確保と研修の充実、人権教育・啓発の推進を図ること。
三、難病や小児慢性特定疾病の子供に対する医療の充実を図り、継続的な治療を受けるために、成人への移行期医療を確立すること。また、インクルーシブ教育を進める中で、「医療的ケアの必要な子供たち」の教育を保障すること。加えて情報通信技術(ICT)の効果的な活用などにより「長期療養児・者」の学習環境を充実させること。
四、全国のどこに住んでいても我が国の進んだ医療を受けることができるよう、専門医療と地域医療の連携を強化すること。また、医療・看護・介護など専門スタッフの不足を原因とする医療の地域格差を解消し、リハビリや在宅医療の充実を図ること。
五、就労は難病患者にとって、経済的な側面のみならず、社会参加と生きる希望につながるものである。そのために、障害者雇用率の対象とすることによる就労の拡大や就労支援を充実すること。
六、「全国難病センター」(仮称)の設置などにより、都道府県難病相談支援センターの充実や一層の連携、患者・家族団体活動への支援、難病問題の国民への周知などを推進すること。

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