請願

 

第211回国会 請願の要旨

新件番号 1126 件名 単独親権制度の改廃を問う共同親権国民投票に関する請願
要旨  子供は父と母から生まれる。その当たり前の親子関係を保障するため、諸外国では父母の養育責任を明示する共同親権が法制度として整えられてきた。しかし、日本の法制度において、共同親権が適用されるのは婚姻中に限られ、未婚・離婚時はどちらか一方の親のみが責任を負う(単独親権制度)。親権のない親と子の関係は考慮されないため、多くの父子(母子)関係が絶たれ、母子(父子)家庭の孤立が子供の貧困や児童虐待を生み、養育費の未払の原因にもなっている。戦前、父に親権が限定されていた民法が改正され、婚姻中のみ共同親権を取り入れたのは、一九四七年の日本国憲法の施行後であった。しかし、現在では逆に、離婚時に裁判所が親権を母に指定する割合が約九四%である。男女共に仕事も家庭も担うことが求められる今こそ、個人としての子供を尊重し、両性の本質的平等を回復するために、長く続く単独親権制度を改廃する時期である。他方で、現行制度を変えることには根強い反対意見がある。現在、法制審議会家族法制部会が離婚に関連する親権制度について議論を行っているが、国会も含めて一つの方向性を見いだし難い状況が長く続いてきた。反対意見の中には、DV被害から逃げられなくなるという懸念があるが、共同親権制度の諸外国では、日本よりも家庭内暴力への刑事介入が積極的であり、被害者に対する保護も手厚くなっている。むしろこのような懸念が生じることは、子供に父母双方からの平等な養育の機会を保障することに対し、社会の側の配慮が欠けていることを示している。婚姻中の親子関係しか専ら考えてこなかった現在の制度を、父母の関係と親子関係を別個のものとする制度へと転換することの是非は、父母から生まれ、世代をつなぐ国民全体で考えるべきことである。関心のある者のみで議論を独占するのではなく、国民的な議論の中で決すべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、現行の単独親権制度の改廃について賛否を問うための立法を行い、国民投票を実施すること。

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