請願

 

第211回国会 請願の要旨

新件番号 1054 件名 国立病院の機能強化に関する請願
要旨  新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という。)の世界的な感染拡大は、国民生活に深刻な影響を及ぼすとともに、必要な医療も受けられず自宅で命を落とすという、あってはならない事例も相次いで報告されるなど、新型コロナ以外の医療への影響も含めて日本の医療体制の脆弱(ぜいじゃく)さを露呈した。また、新型コロナ以前からぎりぎりの人員体制で運営されている医療現場の疲弊も深刻である。新型コロナは今なお収束しておらず、新興感染症の発生も危惧されており、国民の命を守るために平時からの医療体制の強化が急務である。国立高度専門医療研究センター及び全国四十七都道府県に設置されている国立病院機構の各病院(以下「国立病院」という。)は、公的医療機関の中でも国内最大のネットワークを持つ医療機関である。国立病院は、がん・救急医療などの地域医療のほか、筋ジストロフィー・重症心身障害などの医療、感染症や災害時の医療など、他の医療機関では実施が困難な分野をセーフティーネットとして支える重要な役割を担っている。コロナ禍にあっては、新型コロナ病床の数を増やし、全国規模で感染拡大地域へ医療従事者を派遣するなど、政府の要請に応え奮闘してきた。しかし、これまでも人員は不足しており、派遣元の病院では患者に十分なケアができないなどの問題も起きている。国民の命を守るために、国立病院の全国ネットワーク機能をいかし、新型コロナなどの新興感染症対策、大規模災害などの事態に備える医療体制を整え、強化を図ることが医療崩壊を防ぎ地域医療を守ることになる。
 ついては、いつでも、誰もが、安心して医療を受けられる体制を確立するという国民の願いを実現するため、次の事項について実現を図られたい。

一、国民の命を守るセーフティーネットとしての役割を確実に果たし、地域医療の充実を図るため、国立病院を機能強化すること。
二、全国ネットワークをいかし、国立病院が新興感染症や災害医療対策において十分な役割を発揮できるよう対策を講じること。

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