請願

 

第211回国会 請願の要旨

新件番号 368 件名 福祉職員の大幅な賃金の引上げと増員に関する請願
要旨  コロナ禍が長く続く中で、保育や介護、障害福祉などの福祉職員は命を守り社会を支える役割を果たし続けている。エッセンシャルワーカーとしての認識が広がり、政府の統計でも全産業平均の四分の三、月額二十五万円ほどにとどまっている賃金水準の引上げを求める声が高まっている。世論と運動に押されて、政府は二〇二二年二月から福祉職員に対する賃上げ施策を講じたが、大半が手当の支給となっていて規模も対象も不十分である。求められているのは、全ての福祉職員を対象にして基本給(非正規雇用の時給や日給を含む)を大幅に引き上げることができる政策である。また、福祉職員は職員数が少ないことによって様々な困難を抱えている。所定労働時間のほとんどは利用者に直接対応しているため、記録・連絡などに関わる事務仕事は休憩中や時間外に行わざるを得ない。年次有給休暇も取りづらく、健康を維持しながら仕事と生活を両立させることができない。利用者の安全・安心を保障して必要な支援を継続的に行うためにも、休憩・休暇を取って働き続けるためにも、常勤の職員が足りていない。福祉労働は女性の行う家事の延長とされ、賃金・労働条件が低く抑えられてきたが、ジェンダー平等の社会に向けて福祉職員の社会的地位を向上させることが必要である。憲法第二十五条に基づいて、政府が国民の権利を保障し、福祉増進の責任を果たすよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、正規・非正規にかかわらず、全ての福祉職員の賃上げを進め、全産業平均を上回る賃金水準にすること。
二、利用者に必要な支援を保障し、福祉職員の労働条件を改善するために、常勤の職員を増やすこと。

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