請願

 

第211回国会 請願の要旨

新件番号 118 件名 国の責任による二十人学級を展望した少人数学級前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件改善、全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願
要旨  二年以上続くコロナ禍の下、子供たちの成長・発達、心身への影響は深刻となっている。子供たちの命と健康を守り、学びを保障していくためには、少人数学級の更なる前進、教職員の増員、養護教諭の配置拡充などが必要である。義務標準法改正によって、国の責任による小学校三十五人以下学級が約四十年ぶりに前進した。また、全国各地で小・中学校での三十五人以下学級が更に前進している。しかし、OECD平均である二十人程度の学級に比べ、学級規模が大き過ぎる。国の責任による二十人学級を展望した少人数学級の前進を小・中学校や高校で更に進めるときである。教師不足問題が全国に広がっている。学校現場では、病気休職や産休・育休などの代替教職員が見付からず、他の教職員や管理職が授業などを行う事態が数か月、場合によっては一年間続くなど深刻な実態がある。国は教職員定数の削減を毎年続けており、教師不足問題の改善に逆行している。国の責任で教職員の負担軽減を進めるとともに、正規の教職員を増員することが求められている。あわせて、私立高校等経常費助成補助を大幅増額し、私学でも専任の教職員を増員することが必要である。公立・私学とも学費無償化を進めるとともに、小学校から高校、大学などでの教育無償化、奨学金制度の更なる拡充など国際人権A規約の無償教育の漸進的導入を具体化し、子供たちが安心して学べる教育条件の整備を国の責任で前進させることが急務である。この間、政府予算は過去最大を毎年更新する一方で文教予算は削減され続けている。日本の公財政教育支出の対GDP比(二〇一八年度)は二・八%とOECD諸国の中で最低である。これをOECD諸国平均の四・一%まで引き上げれば、小・中学校、高校まで更なる少人数学級の前進、公立・私学共に就学前から大学まで教育無償化など行き届いた教育を保障する教育条件整備を進めることが可能となる。憲法と子どもの権利条約が生きて輝く学校づくりを進めるために、全ての子供に行き届いた教育を実現する教育条件整備を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、子供たちの命と健康を守るとともに、学ぶ権利を保障するため、教育条件整備に全力を挙げること。
二、教育予算をOECD諸国並みに計画的に増やし、教育条件整備を進めること。
三、国の責任で、小・中学校、高校での三十五人以下学級を早期に実現するとともに、「二十人学級」を展望して、少人数学級を更に前進させること。また、幼稚園や特別支援学級・学校の学級編制標準の引下げを進めること。
四、義務・高校標準法を改正し正規・専任の教職員を増員すること。
五、教育費の保護者負担を軽減するとともに教育無償化を進めること。
 1 高校・大学などの学費無償化や高校生・大学生などへの給付奨学金制度の拡充を進めること。
 2 私学経常費助成補助の増額と就学支援金拡充で学費の公私間格差をなくすこと。
六、公立・私学共に豊かな環境の下で学べるよう、教育条件や施設の改善を進めること。
 1 特別支援学校の過大・過密解消のため、国による財政支援を拡充し、学校新設や既存校への「設置基準」適用を進めること。
 2 学校の耐震化・老朽化対策、洋式トイレやエアコンの普及、バリアフリー化を進めること。
七、東日本大震災などの地震や自然災害、福島原発事故の被害を受けた子供を守り、学校と地域の要望を反映した復旧・復興を進めること。

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