請願

 

第211回国会 請願の要旨

新件番号 1 件名 豊かな私学教育の実現を求める私学助成に関する請願
要旨  全国の私立学校に在籍する児童生徒学生の割合は、幼稚園で八六・八%、高等学校で三三・六%(約百一万人)、専修学校で九六・四%、短期大学で九四・八%、大学では七四・〇%にも及ぶ。このように公教育において、私立学校は重要な役割を果たしている。また、高等学校(通信制を含む)への進学率は九八・九%で、中学卒業者のほぼ全てが進学する状況であり事実上義務化している。二〇一〇年度より実施された高等学校等就学支援金制度は、子供を私学に通わせる保護者の負担軽減という点で大変評価された。その後幾多の紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、二〇二〇年度には、年収五百九十万円目安の世帯まで支給限度額を三十九万六千円に引き上げる改正が行われた。しかし、公立高校では年収九百十万円目安の世帯まで授業料の全額が支給され実質無償化されているのに対し、授業料以外の納付金を含めた校納金で比較すると公私間格差は拡大している。私立学校の重要な財政的基盤は都道府県からの経常費補助金である。私立幼小中高については、都道府県による経常的経費の助成を国が支援する仕組みになっているとはいえ、私学教育が果たす重要な役割に鑑み、私学助成の拡充は国が責任を持って取り組むべき重要な施策である。また、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ロシアのウクライナ侵攻や急激な円安により燃料や原材料の価格は高騰し、大幅な物価上昇が起こっている。そのため家計は大変厳しい状況に追い込まれ、人々の生活は困窮しつつある。私立学校の経常経費も増加しているが、保護者などの負担に転嫁するのではなく、公的な助成の拡充で私学教育現場を支援することが重要である。状況の収束が見通せない中、私学に通う子供や保護者の不安は日に日に加速している。経験したことのない状況に直面している今こそ、前例にとらわれない柔軟な対応が必要である。
 ついては、豊かな私学教育の実現のため、次の事項について実現を図られたい。

一、私立学校に対する経常費補助金を始めとする私立学校助成費を増額すること。
二、私立高等学校の授業料の実質無償化を早期に達成すること。
三、高等教育の無償化を早期に達成すること。

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