請願

 

第210回国会 請願の要旨

新件番号 312 件名 石炭火力発電の廃止、再生可能エネルギーの普及等に関する請願
要旨  地球温暖化の影響で、毎年のように日本でも命が脅かされる酷暑、豪雨や巨大台風による甚大な災害が起こる非常事態となっている。最新のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書は、科学的知見から、温暖化は人間によって引き起こされたと断定し、日本も締約国となっているパリ協定は、最新の科学的知見から、産業革命前と比べ世界の平均気温上昇を今世紀末に一・五度に抑えることを目指している。しかし、既に約一・二度上昇(二〇二〇年)しており、科学者は早ければ二〇三〇年代には一・五度上昇し、生態系への影響は深刻な状況になると指摘している。また、二度上昇した場合、飢餓と水不足が深刻化し、生物の大絶滅、異常気象の常態化、永久凍土が溶けてメタンガスが噴出するなど、温暖化の連鎖はもはや人間の力では止められなくなると厳しく警告している。こうした気候危機への抜本的対策は一刻の猶予もない。日本は世界五位の温室効果ガス排出国であるが、政府は、パリ協定に見合った削減目標も再生可能エネルギーの抜本的拡大への対策も打ち出さず、石炭火力発電所の増設・継続、原発依存も続けようとするなど許されることではない。また、石油由来の大量のプラスチックごみが海洋汚染を深刻化させ、劣化し細かくなったマイクロプラスチックが様々な生物の体内に取り込まれ、人体への影響と重大な環境汚染を引き起こしている。加えて、日本で主流となっている焼却処分は温暖化を更に進める。プラスチックの大量生産、大量廃棄を規制し、回収、再資源化は製造者の責任でなされるべきである。
 ついては、気候危機への抜本的対策を求め、次の事項について実現を図られたい。

一、二〇三〇年原発ゼロの方針を明らかにすること。石炭火力発電の国内新設も輸出もせず、二〇三〇年までに廃止すること。
二、省エネを進め、二〇三〇年に再生可能エネルギー(以下「再エネ」という。)電力比率五〇%以上、二〇五〇年に一〇〇%の目標を持つこと。再エネ推進は地域との合意を得ながら進め、再エネを優先的に接続、送電、給電する電力システムに急ぎ改善すること。

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