請願

 

第210回国会 請願の要旨

新件番号 281 件名 辺野古新基地建設工事の中止と普天間基地の無条件撤去に関する請願
要旨  玉城デニー沖縄県知事は二〇二一年十一月、沖縄防衛局が二〇二〇年四月に申請した辺野古新基地建設計画の設計変更計画を不承認とした。同知事は、海底軟弱地盤の調査が不十分なこと、絶滅危惧種ジュゴンへの影響が適切に予測されていないことなどを挙げ、公有水面埋立法の要件に適合しないとしている。また、新基地完成までに不確実性があり、普天間飛行場の危険性の早期除去につながらず合理性がないとしている。新基地の埋立予定地である大浦湾の海底軟弱地盤について、政府は過去の調査で把握していたが、そのことを隠し、二〇一八年に埋立てを開始した後、二〇一九年に当時の安倍首相が初めて国会でこれを認めた。しかし、海面下最深九十メートルに及ぶ軟弱地盤のうち、七十メートルまでしか改良工事計画がなく、調査結果が公表されていない最深部の軟弱地盤によって、工事終了後に崩落する危険性を専門家が指摘している。また、今回の埋立計画で、沖縄戦戦没者の遺骨を含む可能性がある本島南部からの土砂採取計画が盛り込まれていることは、人道上許されない。このような基地建設に二兆五千五百億円(沖縄県試算)もの税金を使うことは認められない。一九九六年に普天間基地の返還が合意されてから既に二十五年以上が経過したにもかかわらず、返還に向けた進展が見られない中、米軍機からの落下物などにより周辺住民の生活が脅かされ続けている。政府の設計変更申請によっても今後更に十二年掛かるとされており、全く見通しは立っていない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、辺野古新基地建設工事を中止すること。
二、普天間基地の即時閉鎖・無条件撤去をアメリカに求めること。

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