請願

 

第210回国会 請願の要旨

新件番号 115 件名 非正規差別と長時間労働の解消に関する請願
要旨  政府は、長時間労働の解消と非正規の待遇改善を政策目標に掲げているが、成果を上げているとは言い難い状況である。働き方改革が言われる下で過労死は頻発し、コロナ禍で増えたテレワークや裁量労働、副業・兼業による長時間労働も目立ち始めている。待遇格差の改善も進んでいない。正規採用は狭き門となり、育児や介護、健康上の理由で非正規となる人は労働者の約四割に及ぶが、その職務の価値は評価されず、賞与も退職金もなく低賃金と不安定雇用が当たり前とみなされている。無期労働契約への転換を妨害するための契約不更新も多発している。これでは、子供を産み育てることにちゅうちょする人が増え、社会の活力が減衰するのも当然である。
 ついては、男女の違いなく、正規・非正規いずれを選択しても副業をせずに安定した収入を得られ、人間らしく誇りを持って働き、生活を大切にしながら暮らせる社会を実現するため、次の事項について実現を図られたい。

一、非正規雇用の待遇改善、雇用の安定のため、以下に関わる法改正を行うこと。
 1 労働契約は無期を原則とし、有期契約は臨時的・一時的な業務に限ること。
 2 有期契約から無期契約に転換される場合の契約通算期間を五年(現行)より短くすること。無期転換の権利を侵害する契約不更新は禁止すること。
 3 賃金、賞与、退職金、休暇などのあらゆる待遇について、パート、有期、無期転換、派遣、正社員といった雇用形態による格差をなくすこと。
 4 上記の措置を公務労働についても行うこと。
二、労働時間法制の規制強化を図るため、以下に関わる法改正を行うこと。
 1 時間外・休日労働、裁量労働制、変形労働時間制、夜勤交替制、テレワークへの規制を強化すること。いずれについても、事業主に労働時間の把握義務(罰則付)を課すこと。
 2 終業から始業の間に最低十一時間の連続した休息期間を与えることを法律で義務付けること。
 3 非定型的シフト労働契約における事業主の一方的なシフトカットなどを規制すること。

一覧に戻る