請願

 

第210回国会 請願の要旨

新件番号 99 件名 子供のための予算を大幅に増やし、保育・学童保育制度の抜本的改善を求めることに関する請願
要旨  保育・学童保育は、誰もが安心して子供を産み育て働ける社会の実現にとって不可欠な社会資源であり、子供たちの日々の暮らしと成長発達を保障するための大切な施設である。コロナ禍によって、その重要性は広く社会的に認識されてきた。政府は、二〇二三年度にこども家庭庁を創設し、社会の真ん中に子供関連施策を据えて、その充実・推進を図るとし、予算を倍増すると公言している。それならば、今こそ保育予算を大幅に増額し、遅れている保育所などの環境・条件の抜本的改善に踏み出すべきである。これまで政府は、保育士などの賃金について不十分ながら改善を進めているが、保育士の増員を求める現場の声には背を向けたままである。小学校では、約四十年ぶりに基準が改善され、全学年で三十五人を上限とする少人数学級が実現する。ところが、保育所の保育士配置基準は久しく改善がなく、四・五歳児の基準(子供三十人に保育士一人)に至っては一九四八年の基準制定以降七十年以上一度も改善されておらず、国際的にも低水準のまま放置されている。取り分け、コロナ対応により逼迫(ひっぱく)した保育現場の状況を踏まえれば、改善は待ったなしである。少子化が加速し、地域によっては保育所の定員割れが起きており、公・私の保育施設の統廃合が取り沙汰されるようになっている。しかし、依然として待機児童問題が深刻な地域があり、また、待機児童がいないと言われる地域でも、保育を必要とする全ての子供が、安全・安心で質の高い保育を格差なく受けられる状況ではない。子供の生活と発達する権利を保障するために、予算を増やし、全ての地域で保育・学童保育を維持し、更に拡充させるべきである。以上のことから、保育士の増員を始め、保育・学童保育の基準・施策の抜本的な改善を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、子供たちの命を守り、保育を充実させるために、子供のための予算を大幅に増やすこと。
二、保育・学童保育に関わる公費負担を引き上げ、職員の賃金と処遇を抜本的に改善すること。
三、全ての子供の保育料を無償にするとともに、給食費などの保育に必要な費用も無償化の対象にすること。

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