請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 2787 件名 国立大学法人運営費交付金の増額に関する請願
要旨  我が国の学術論文数は、国立大学が国全体の約五〇%、大学全体の約七〇%を占めている。我が国の大学の研究費総額は、二〇〇〇年以降ほぼ横ばいである。しかしながら二〇〇六年以降、主要先進国のうち唯一我が国だけ、学術論文数が減少している。このような事態に至ったのは、学術研究に関する過度な選択と集中政策が影響している。二〇〇四年度の国立大学法人化以降、国立大学法人運営費交付金が減額あるいは傾斜配分され、競争的研究資金の割合が増加した。その結果、安定的に雇用される大学教員や事務員の数が減少し、事務員などが担っていた用務を大学教員が担うようになり、研究時間の確保が難しくなっている。また、大学教員は、大量の書類作成業務を伴う競争的資金や外部資金の獲得に尽力しているものの、時限的資金であったり特定の目的を有する資金であるため、幅広く長期的視点で取り組むべき研究テーマへの対応は困難となっている。イノベーションを支える学術研究は本質的に不確実性の高いものであるため、あらかじめ選択と集中政策により研究テーマを選定するのは困難であり、研究テーマの多様性を確保することがイノベーションには必須である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「選択と集中」「傾斜配分」などによる研究資金配分及び競争的研究資金の割合を減らし、国立大学の経営を安定的に支える運営費交付金を二〇〇四年以前の水準に回復させること。

一覧に戻る