請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 2776 件名 マイナンバー制度の利用拡大を中止し、制度を廃止することに関する請願
要旨  菅政権に続き、岸田政権の下でも推し進められているデジタル改革は、マイナンバーカードをデジタル社会のパスポートと位置付け、健康保険証や運転免許証と一体化するとともに、医師免許などの国家資格や金融口座をマイナンバーとひも付けることが予定されている。健康保険証などをマイナンバーカードに一体化することで、ほとんどの住民にマイナンバーカードを所持させようとしているが、マイナンバー制度やその利用目的などにおいて多くの問題点が指摘されている。一つは、政府による国民の監視・管理が強められ、資産調査による税徴収強化や社会保障給付の削減につながるおそれがあることである。政府は行政の効率化や国民の利便性をうたうが、国民へ更なる負担を強いるための道具となり、個人情報が丸裸にされ、プライバシーが侵害される危険が増大する不当な制度と言わざるを得ない。番号制が既に導入されている米国や韓国では、何千万人という単位の個人情報が漏えいする事件が発生し、深刻な被害が出ている。さらに、個人情報保護のためマイナンバーを扱う中小業者に対して厳格な管理体制を強要し、漏れた場合の罰則(四年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金など)が設けられている。小規模の業者にとってマイナンバーを管理することは大きな負担となり、経営にとっても大打撃となる。イギリスでは、一旦導入を決めた国民IDカード法を人権侵害への危険があることや巨費が浪費されるおそれがあるとして廃止した。国民監視を強め、中小業者の営業を破壊するマイナンバー制度の利用拡大を中止し、マイナンバー制度を廃止することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、マイナンバー制度の利用拡大を中止すること。
二、マイナンバー制度を廃止すること。

一覧に戻る