請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 1538 件名 コロナ禍による米の需給改善と米価下落の対策に関する請願
要旨  新型コロナウイルスの感染拡大による需要の消失から、二〇二〇年産米の過大な流通在庫が生まれた。しかし、政府が有効な手だてを取らなかったため市場価格は大暴落した。政府は、三十六万トンの上乗せ減反を打ち出したが、とても受け入れられる数量ではなく、感染拡大による更なる消費減少と相まって、二〇二一年産米の昨年以上の米価下落が危惧されている。コロナ禍の需要減少による過剰在庫分は、国が責任を持って市場隔離すべきであり、その責任を生産者・流通業者に押し付けることは許されない。政府の責任による緊急買入れなどの特別な隔離対策が絶対に必要である。同時に、国内需給には必要ないミニマムアクセス輸入米は、毎年七十七万トンも輸入されている。国内消費量は三十年間で四分の三に減少したにもかかわらず、一切見直されていない。バター・脱脂粉乳並みに、不要なミニマムアクセス米の輸入数量を調整するなど、国内産米優先の米政策に転換することが必要である。コロナ禍の中、全国各地で取り組まれている食料支援には、収入減で一日一食に切り詰めるなど、食べたくても食べられない人が多数訪れ、米を始めとする食料配布が歓迎されている。行き場を失った農産物を政府の責任で買い取り、困窮する国民に提供することが、今こそ求められている。コロナ禍という、かつて経験したことのない危機的事態の中で、農業者の経営と地域経済を守るためには、従来の政策的枠組みにとらわれない対策が求められる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、コロナ禍の需要減少による過剰在庫を政府が緊急に買い入れ、米の需給環境を改善し、米価下落に歯止めを掛けること。
二、政府が買い上げた米をコロナ禍などによる生活困難者・学生などへの食料支援で活用すること。
三、国内消費に必要のない外国産米(ミニマムアクセス米)の輸入は、当面、国産米の需給状況に応じた数量調整を実施すること。

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