請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 1537 件名 現下の雇用失業情勢を踏まえた労働行政体制の整備に関する請願
要旨  新型コロナウイルス感染症は、現在も予断を許さない事態が続いている。労働行政では雇用の安定を図るため、雇用調整助成金や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金だけでなく、小学校休業等対応助成金や業務改善助成金などの様々な助成制度を担っている。さらに、これら助成金の不正受給対応や職場で感染症に罹患(りかん)した労働者の労災補償給付、倒産企業における未払賃金立替払事業など、今後も多くの業務を労働行政が担うこととなる。一方、これまでも長時間労働の是正を始めとする働き方改革は政府の最重要政策と位置付けられており、労働基準行政では改正労働基準法などの施行を担っている。また、職業安定行政では就職氷河期世代への対応が求められ、窓口でのきめ細やかな支援を行っている。さらに、雇用環境・均等行政では非正規労働者の処遇改善や均等・均衡待遇の実現、さらにはパワハラ防止の措置義務の履行確保などの新たな重要施策を担っている。感染症が終息した後においても労働者・国民の雇用の安定や労働条件確保は重要な課題と言える。そのため、これらの課題を担う労働行政体制の整備・強化を図ることが急務である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、新型コロナウイルス感染症の終息はいまだ見通せず、職業安定行政においては雇用維持を図るための雇用調整助成金や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金への対応が極めて重要である。また、これまで支給してきた助成金の不正受給への対応や職を失った労働者への失業給付及び再就職支援が急務である。さらに、就職氷河期世代への対応として、窓口でのきめ細やかな支援も求められている。一方、職場で感染症に罹患した労働者の労災補償給付請求が増え続け、今後、賃金未払のまま倒産する企業の急増も懸念され、労働基準監督署の役割がますます重要となる。あわせて、労働基準行政では長時間労働の是正や脳・心臓疾患・精神疾患などの労災請求事案への対応、石綿や化学物質の暴露防止対策など政府の重要施策を担っていく必要がある。さらに、小学校休業等対応助成金や業務改善助成金、人材確保等支援助成金(テレワークコース)、母性健康管理措置などに関する助成金など多くの助成制度を担っている雇用均等行政では、同一労働同一賃金の実現やパワハラ防止措置義務化への対応などに係る役割発揮も求められている。こうしたことから、政府の重要施策を推進するため、労働行政体制の整備を図ることが必要である。
 1 新型コロナウイルス感染症への対応や政府の重要政策である働き方改革、就職氷河期世代への支援、同一労働同一賃金を実現し、労働者・国民の権利を保障するため、雇用・労働施策を充実させること。
 2 大幅に増加する行政需要に対応し、労働者・国民の権利保障を図るため、労働行政の体制整備を行うこと。

一覧に戻る