請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 1034 件名 私立幼稚園・認定こども園を始めとした幼児教育の充実と発展に関する請願
要旨  現在、幼稚園児の約八七%が私立幼稚園に通っており、私立幼稚園は幼児教育において極めて重要な役割を果たしている。子供の成長発達の中で、子供同士の育ち合いや子供一人一人に対する教師のゆとりを持った関わりは不可欠なものである。加えて、近年多様な支援を必要とする子供が増加し、一人一人により時間を掛けて対応することが求められる状況となっている。二〇一九年十月から父母負担は無償化されたが、幼稚園の教育条件を整えるための費用は放置されたままである。二〇一五年から実施されている子ども・子育て支援新制度においても、一クラス当たりの園児数などの設置基準は改善されないままである。こうした教育条件の実態の中で、二〇二〇年度から新型コロナウイルス感染症の蔓延(まんえん)という事態が起きている。子供たちの安全な成長と学びを求めて小学校では義務標準法が改正され、クラス定員が小学六年まで三十五人とされることになったが、小学校の定員が見直されたにもかかわらず、幼稚園では三歳児までを含めて現行の一クラス三十五人という設置基準が継続されたままである。これでは子供たちの安全・安心を守ることはできない。また、子供たちの安全・安心の確保には、教職員が命と生活を脅かされることなく笑顔で子供たちに向き合えるという教育労働条件が欠かせず、そのためには教職員の大幅な増員が必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、私立幼稚園の経営安定、「コロナ禍」の下で安全・安心な保育ができる教育条件の改善のために、経常費助成補助を大幅に増額すること。
二、どの子も幼児教育を受けることができるよう父母負担を軽減するために、幼稚園や認定こども園に関わる費用は完全に無償化すること。
三、教職員の労働条件改善のために、人件費に充当される補助項目を拡充すること。
四、行き届いた幼児教育を行うために、幼稚園設置基準を三歳児十五名、四・五歳児二十名以下のクラス定員に改正すること。
五、「子ども・子育て支援新制度」へ移行した園において、教育・保育条件が現行水準より後退しないように、職員確保のための助成の拡充や、公定価格の増額を進めること。
六、幼児教育への株式会社の参入を認めないこと。

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