請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 952 件名 区立台東病院の再編・統合案の撤回に関する請願
要旨  厚生労働省は医療費抑制と医師不足を理由に、二〇一九年九月、全国四百二十四の公立・公的病院に再検証が必要であるとして、二〇二〇年までに再編・統合・病床数削減などの具体化を要求した。その後、病院数は四百三十六に増やされた。その対象リストに区立台東病院が入っていたことに台東区民は驚き、困惑している。しかも昨年、病床・病院を削減するため、消費税による財政支援を行う法律が成立している。新型コロナウイルスの感染拡大によって、病床の更なる逼迫(ひっぱく)は避けられない。ところが、政府の地域医療構想における二〇二五年の病床必要量は、パンデミックを想定せず、高度急性期、急性期を中心に二十万床を削減する計画である。コロナ禍の今、医療機関に対してコロナ受入れ病床の確保を求めながら、給付金制度までつくって病床削減が進められ、その一つとして台東病院が廃止対象とされることは到底理解できない。二〇〇四年に都立台東病院が廃止されたが、台東区と区民は切実な要求と大きな運動で二〇〇九年に区立台東病院を作り上げた。台東区は二十三区でも高齢化比率が高く、そのことによる慢性期医療やリハビリ治療を担う拠点病院を最も必要とする地域である。近年、人口が増えている台東区においては、病院も病床数も不足しているのが現状である。台東病院はコミュニティバスの停留所が病院の敷地内に設けられ、区民に密接した必要不可欠な病院となっている。永寿総合病院で感染者二百人以上、死者四十三人という大クラスターが発生し、医療機能が麻痺(まひ)した際に、その多くの患者を受け入れて区民の命のとりでとなったのが台東病院だった。それだけに台東区民は、区長や台東区議会も含めて台東病院の廃止計画には反対し、存続と充実を求めている。こうした区民や区議会の意思を反映して、東京都の地域医療構想調整会議でも区立台東病院を存続と結論付けている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国がリストに掲げた「台東区立台東病院」の再編・統合計画は撤回すること。

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