請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 504 件名 食料自給率の低下を招く経済連携協定を見直すことに関する請願
要旨  日本の農業・農村は、国民生活に不可欠な食料を供給する機能とともに、その営みを通じて国土の保全などの役割を果たしており、正に国の土台である。しかし、二〇二一年四月に発表された農林水産省の農林業センサスによれば、国内の農業経営体は、五年前の調査から三十万二千減少し、百七万六千経営体(二〇二〇年二月現在)へと激減している実態が示されている。農業・農村をめぐるこれらの課題は、世界の国々との経済連携協定締結を通じた関税率の削減・撤廃などによる農畜産物の輸入自由化を促進する日本政府の農業政策が大きく影響していることは明らかである。この影響は、国民生活に不可欠な食料を供給する農業・農村の機能を更に後退させるとともに、先進国の中で最低水準となっている日本の食料自給率三七・一七%(二〇二一年八月農林水産省)さえも維持できず、更に引き下がる事態を生じかねない。これまでの農業政策を転換してこそ、国民の命と暮らしを守り、二〇二〇年三月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画に定めた食料自給率目標も実現可能になる。新型コロナウイルス感染が世界規模で広がり、多くの国々が輸出制限を講じた。自国における安定的な食料生産と確保が求められる中、日本においても家族農業を基調とする農業政策へ転換し、食料自給率の向上を目指すときである。国連は、国連「家族農業の十年」を決議し、飢餓と貧困の克服、持続可能な社会の実現のために家族農業の役割を再評価し、各国に政策転換を求めている。その視点からも、欧米では当たり前の家族的経営体の経営を下支えする政策として、再生産価格の保障や農業者の収入を保障し、国民の食料と地域経済、環境と国土を守ることが求められる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、食料自給率の低下を招く、経済連携協定について見直すこと。

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