請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 294 件名 外国船舶の拿捕後に船舶の押収及び爆沈を可能とする、海上保安庁の権限追加に関する請願
要旨  昔から日本の領海と排他的経済水域では、外国船舶による違法な密漁や行為が後を絶たない。現在の海上保安庁の業務では、日本の領海と排他的経済水域における違法な密漁や行為を行った外国船舶の拿捕(だほ)は可能であるが、拿捕後の船舶の押収と爆沈は許可されていない。外国船舶の違法な密漁や行為に対する抑止力の誇示(見せしめ)として、現行の海上保安庁法又は海上保安庁の業務に関係する法律を改正し、拿捕した外国船舶の押収と爆沈を可能とするよう求める。外国船舶による違法な密漁への対策として、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律の改正案が第百八十七回国会で成立したが、現状ではその効果や抑止力が不足している。外国船舶による違法な密漁が放置され続けると、日本の漁業関係者の生計、日本人の食生活、日本の食文化、日本の飲食産業に深刻な悪影響を及ぼす。近年では、日本の近隣国家にとって、違法な密漁の積み重ねは日本の領海と排他的経済水域を支配せんとする手段となっている。海洋大国として、違法な密漁や行為を行う外国船舶に対し、日本政府が非常に厳しい態度を示すことができるよう求める。外国におけるモデルケースとして、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領の下で二〇一四年から二〇一九年まで海洋水産大臣を務めたスシ・プジアストゥティ氏の取組がある。スシ氏が海洋水産大臣に就任する前のインドネシアでは外国船舶による密漁が深刻な問題であったが、就任後、スシ氏の命令で多くの外国籍の違法漁船を拿捕して爆沈した結果、外国籍の違法漁船の数が減少し、漁獲高は増加した。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、海上保安庁法又は海上保安庁の業務に関係する法律に、海上保安庁の職員が拿捕した外国船舶を強制的に押収できる条項を追加すること。
二、海上保安庁法又は海上保安庁の業務に関係する法律に、海上保安庁長官の命令により、海上保安庁の職員が日本の領海内又は排他的経済水域内において、押収した外国籍の違法船舶を爆沈できる条項を追加すること。
三、爆沈後の船舶は、海中で水中生物にとっての魚礁となり、海洋資源の保護につながる。海上保安庁又は国土交通省が、海洋資源を保護したい地方自治体と協議して、押収した船舶を爆沈する場所を決定すること。必要であれば、農林水産省の協力を仰ぐこと。

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