請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 266 件名 国の責任による二十人学級を展望した少人数学級前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件改善、全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願
要旨  少人数学級を求める多くの父母・保護者・地域、団体からの声・自治体での意見書採択などの動きに押され、義務標準法の改正によって小学校での三十五人以下学級が前進した。全会一致で採択された附帯決議には、三十五人以下学級を進める際、加配定数を削減しないことや安定的な財源を措置すること、中学校での三十五人以下学級を検討することなどが盛り込まれた。しかし、三十五人以下学級は小学校のみであり、実現に五年掛かることなど課題は多く残る。中学校や高校も含めて、二十人学級を展望した更なる少人数学級を早急に実現することは、国民の切実な願いである。また、新型コロナウイルス変異株が流行する中で、子供たちの命と健康を守るために、緊急に二十人程度で授業ができるための教育条件整備も求められている。今こそ、国の責任による少人数学級の更なる前進を迫るときである。切実な課題である教職員の長時間過密労働解消のためには、少人数学級の前進とともに義務・高校標準法を改正し、抜本的に正規・専任の教職員を増やすことが必要である。同時に、私学の教職員数を増やせるよう私立高校等経常費助成補助を大幅に増額することが必要である。公立・私立共に学費の無償化を進め、無償教育の漸進的導入(国際人権A規約)を具体化することなど、子供たちが安心して学べる教育条件の整備を国の責任で着実に前進させることが必要である。日本の公財政教育支出の対GDP比(二〇一七年度)は、二・九%とOECD諸国の中で下から二番目である。これをOECD諸国平均の四・一%まで引き上げれば、小・中・高校の二十人学級を展望した更なる少人数学級の前進や、行き届いた教育を保障する教育条件整備と、公立・私立共に就学前から大学までの教育無償化を進めることが可能となる。憲法と子どもの権利条約が生きて輝く学校づくりを進めるために、全ての子供に行き届いた教育を実現する教育条件整備を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、子供たちの命と健康を守るとともに、学ぶ権利を保障するため、教育条件整備に全力を挙げること。
二、教育予算をOECD諸国並みに計画的に増やし、行き届いた教育条件整備を進めること。
三、国の責任で小学校全学年三十五人以下学級を早期に実現するため五年計画を前倒しすること。
四、小・中学校、高等学校の「二十人学級」を展望した更なる少人数学級を進めること。また、幼稚園や特別支援学級・学校の学級編制標準の引下げを進めること。
五、義務・高校標準法を改正し抜本的に正規・専任の教職員を増員すること。
六、教育費の保護者負担を軽減するとともに教育無償化を進めること。
 1 高校・大学等の学費無償化と高校生・大学生等への給付奨学金制度の拡充を進めること。
 2 私学経常費助成補助の増額と就学支援金拡充で学費の公私間格差をなくすこと。
七、公立・私立共に豊かな環境の下で学べるよう、教育条件や施設の改善を進めること。
 1 実効ある「特別支援学校設置基準」を策定し、過大・過密を解消するため学校新設を進めること。
 2 学校の耐震化・老朽化対策を進めるとともに、洋式トイレやエアコンの普及を進めること。
八、東日本大震災などの地震や自然災害、福島原発事故の被害を受けた子供を守り、学校と地域の要望を反映した復旧・復興を進めること。

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