請願

 

第208回国会 請願の要旨

新件番号 164 件名 安全・安心の医療・介護・福祉を実現し、国民の命と健康を守ることに関する請願
要旨  新型コロナウイルスによる感染拡大は、経済活動や国民生活に深刻な影響を及ぼし、医療を始めとした社会保障・社会福祉体制の脆弱(ぜいじゃく)さを鮮明にして、国民の命と健康が脅かされる事態が広がった。このコロナ禍で明らかになったことは、感染症対策を中心的に担う公立・公的病院の役割の重要性及び感染症病床や集中治療室の大幅な不足、医師・看護師・介護職員の人員不足、保健所・保健師の不足などである。これらの諸問題の背景として、一九九〇年代後半から続いてきた医療・介護・福祉などの社会保障費並びに公衆衛生施策の削減・抑制策がある。七十五歳以上の医療費窓口負担、介護保険料等の社会保険料負担、年金や生活保護基準の引下げなど、国民の負担もますます重くなるばかりである。コロナ禍における教訓は、医療・介護・福祉を始めとした社会保障拡充の重要性である。国民の命と健康、暮らしを守り、新たなウイルス感染症や大規模災害などの事態に備えることが喫緊の課題となっている。逆進性の高い消費税を減税するなどの対策と同時に、社会保障に関わる財源の確保が重要である。社会保障の再分配機能を高め、大企業・富裕層への応能負担を求めるなど、コロナ対策並びにコロナ後の社会を見越した政策が必要である。
 ついては、国民が安心して暮らせる社会実現のため、次の事項について実現を図られたい。

一、安全・安心の医療・介護・福祉提供体制を確保すること。
 1 医師、看護師、医療技術職員、介護職員等を大幅に増員し、夜勤改善等、勤務環境と処遇を改善すること。
 2 公立・公的病院の再編統合や病床削減方針を見直すこと。
二、保健所の増設など公衆衛生行政の体制を拡充し、保健師等を大幅に増員すること。
三、社会保障・社会福祉に関わる国庫負担を増額し、七十五歳以上の窓口負担二倍化を中止するなど国民負担を軽減すること。

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