請願

 

第207回国会 請願の要旨

新件番号 224 件名 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願
要旨  二〇二〇年四月一日施行の高等学校等就学支援金制度拡充により、年収五百九十万円未満世帯の私立高校に通う生徒の経済的負担は大きく減少した。二〇二〇年度九月末学費滞納調査(全国私教連実施)によると、学費滞納率は前年度を大きく下回り、新型コロナウイルス感染症による経済停滞の私立高校の学費負担への影響を最小限に食い止める結果を示した。しかしながら、文部科学省の調査では、私立高校授業料の二〇二〇年度全国平均額は四十三万四千円、施設設備費の全国平均額は十五万二千円で、学納金合計は五十八万六千円となっている。年収五百九十万円未満世帯でも、年額三万八千円の授業料負担が残り施設設備費と合わせて十九万円、年収五百九十万円以上世帯では、就学支援金十一万八千八百円を除いても四十六万七千二百円という高額の負担が残っている。殊に多子世帯では多大な負担となる状況である。また、初年度には全国平均十六万三千円の入学金負担も有り、私立高校選択の障壁になっている。こうした実態に対して、政策理念に立ち授業料実質無償化となるよう、また、年収五百九十万円以上世帯の学費負担軽減と私学の学費負担の自治体間格差解消を目指し、年収五百九十万円未満世帯への前年度授業料平均額の支給、授業料無償化世帯・支給対象拡大などの拡充が求められる。一方、私立学校への経常費助成金の大幅な増額も必要である。取り分け、コロナ禍において密を回避するための少人数学級、そのための専任教諭増などの実現は、私立学校においても早急に取り組まなければならない喫緊の課題である。私立学校が公教育として重要な役割を担っている立場から、一九七五年私立学校振興助成法成立時の附帯決議に記された二分の一助成を速やかに実現されることを強く求める。また、実施五年目を迎える私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援について、どの年齢においても経済的な理由により私学での学びが阻害されることがないよう、教育予算の増額によってその拡充がなされることを強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、教育予算を増額すること。
二、私学において「少人数学級の実施」、「教職員増」が可能となるよう、経常費助成補助を増額すること。
三、高等学校等就学支援金制度を拡充すること。
 1 年収五百九十万円未満世帯への支給額である「私立高校の平均授業料を勘案した水準」を前年度の私立高校授業料全国平均額にすること。
 2 私立高校生を含む多子世帯の所得制限を廃止すること。

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