請願

 

第207回国会 請願の要旨

新件番号 54 件名 地域的な包括的経済連携(RCEP)からの撤退を求めることに関する請願
要旨  地域的な包括的経済連携(RCEP)から撤退することを求める。関税が無くなることは、大多数の日本国民にとってメリットは無く、国内産業への打撃による不況、デフレの継続など、様々な損失をもたらすことが予想される。取り分け、安い農産物、畜産品の流入による日本農業、畜産業への打撃により、現在においても非常に低い我が国の食料自給率が更に下がり、輸入食料への依存が一層強まるおそれがある。また、遺伝子組換え作物、ゲノム編集作物、農薬などについても、我が国の法律で制限することが一層困難になり、食の安全が大きく脅かされるおそれがある。新型コロナウイルス禍により懸念されている食料危機を防ぐためにも本協定からは離脱し、国内農業、畜産業を保護し、食料自給率を上げるべきである。本協定では、現段階におけるISD条項の導入は見送られたが、継続協議扱いとなっているため、いつ導入されてもおかしくない状況である。導入されれば、外国企業が日本の国家、自治体などを訴えることが可能となるため、ばくだいな賠償金を請求されるおそれがある。本協定による貿易には、中国輸出管理法の域外管理規定が適用されることが予想されるが、この法律は関係国に対して細目を明らかにしないまま成立されており、中国による恣意的な運用が可能であり、ISD条項と同様の効果を持たせることが可能であるため、我が国の主権を大きく侵害するおそれがある。さらに、域内での人の移動が自由になるため移民を制御できなくなり、国内労働者との低賃金化競争を招き、日本人の失業、低賃金化を加速させるおそれがあり、治安の悪化も懸念される。何よりも交渉内容が非公開であり、国民が全貌を知ることなく交渉が進められ合意されたことは、民主主義である我が国においては大きな問題である。国民は行き過ぎたグローバル化と、自由貿易推進の経済政策を望んでいない。今こそ新自由主義の経済政策を見直し、多国籍企業や投資家の利益ではなく、国民の雇用の安定化、所得の向上により内需の拡大を図る経済政策への転換を強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、地域的な包括的経済連携(RCEP)から撤退すること。
二、自由貿易推進の、新自由主義の経済政策を見直すこと。

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