請願

 

第207回国会 請願の要旨

新件番号 31 件名 豊かな私学教育の実現を求める私学助成に関する請願
要旨  全国の私立学校に在籍する児童・生徒・学生の割合は、幼稚園で八六・〇%、高等学校で三二・九%(約百二万人)、専修学校で九六・三%、短期大学で九四・八%、大学では七四・〇%にも及ぶ。このように公教育において、私立学校は重要な役割を果たしている。また、高等学校(通信制を含む)への進学率は九八・八%で、中学卒業者のほぼ全てが進学する状況であり事実上義務化している。二〇一〇年度から、教育を社会全体で支える政策として、公立高等学校授業料無償化及び就学支援金制度が実施された。子供を私学に通わせる保護者の負担軽減という点では高く評価されている。それから幾多の紆余曲折を経て、二〇二〇年度には、私立高校就学支援金支給額が、年収約五百九十万円未満の世帯を対象として、一律年額三十九万六千円へと引き上げられた。しかし、公立高校就学支援金支給額が年収約九百十万円未満の世帯を対象として、授業料全額に当たる十一万八千八百円が支給され、授業料が実質無償化されたのに対して、私立高校においては、授業料全国平均額までの無償化となり、授業料以外の納付金負担も含めて、公私間の格差は縮まっていない。また、二〇一九年には幼児教育・高等教育における授業料減免及び給付型奨学金制度が拡充されたが、授業料減免の適用条件として、保護者の所得要件、学生には厳しい学習状況の要件、大学等には運営や教学に関わる要件があり、経済的事情によらない教育の機会を保障することを目指した施策であるとは評価できない。さらに、都道府県の経常費補助金が私立学校の基盤的財源になっていることは周知の事実であり、この補助金の増額も必要である。公教育を担う私学教育が健全化されるために、私学助成の拡充は国の責任として、重点的に取り組むべき重要な施策である。
 ついては、豊かな私学教育の実現のため、次の事項について実現を図られたい。

一、私立学校に対する経常費補助金及び私立学校助成費を増額すること。
二、私立高等学校の授業料の実質無償化を早期に達成すること。
三、高等教育における無償化を早期に達成すること。

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