請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 2669 件名 商品・サービスの総額表示義務をなくし、価格表示を自由化する法改正を求めることに関する請願
要旨  消費税法に定められた総額表示義務は、税率変更のたびに価格表示変更のための多大な作業やコストを発生させ、事業者を苦しめている。小売業の現場からは、税率変更のたびに何か月も残業をし、延々と値札を貼り替えることへの悲鳴が上がっている。飲食店はチェーン全店のメニューを変更しなければならず、デザイン差し替えや印刷のコストに苦しんでいる。商品の特性上、例外的に総額表示の免除を認められていた書籍も二〇二一年四月から総額表示義務の対象となったが、中小出版社からは今もなお多くの反対の声が上がっている。委託販売が主流である書籍においては、価格変更のコストは出版社が負う必要があり、返品・カバーやスリップの印刷と交換・再納品に掛かる時間も金額もばくだいである。コストに見合わない本は絶版せざるを得ず、また、コストに耐えられず廃業する出版社が現れる可能性すらあり、出版文化の大きな損失となる。財務省は総額表示義務の根拠を消費者のためと説明しているが、価格を分かりやすくするために総額表示を義務化し事業者にばくだいなコストを負担させた場合、結果として消費者にも値上げ・メニュー変更などサービスの低下・書籍の絶版などの損失を与える。さらに、製造元・流通など店舗に関わる他業種への影響も起こり得る。本当に消費者のためを考えるならば、本体価格が税込価格であるという誤認を防ぐ措置を徹底させるのみにとどめ、税率変更に掛かる事業者の負担をゼロに近づけることで、安心して商品やサービスを提供できる環境を整えるべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、消費税法第六十三条により定められた総額表示義務を、消費税転嫁対策特別措置法第十条に相当する内容に改正し、表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じている場合は税込価格を表示することを要しないものとすること。

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