請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 2655 件名 安全・安心の医療・介護の実現のため、夜勤改善と大幅増員を求めることに関する請願
要旨  医療や介護現場での人手不足は深刻な状態にある。人手不足により一人一人の過重労働が進み、過酷な夜勤や長時間労働などが解消されずに医師や看護師の過労死を引き起こす事態が続いている。厚生労働省も医療職場や介護職場の勤務環境改善の必要性を明らかにし、手だてを講じてはいるが、具体的な労働環境の改善には至っていない。看護職員の夜勤実態調査(日本医労連二〇一九年度調査)では、最も短い勤務間隔について八時間未満が四六%、二交代職場のうち五割を超える病棟で十六時間以上の長時間夜勤となっていることが分かった。問題の根底には慢性的な人手不足があり、過酷な勤務実態を背景に、慢性疲労を抱えている看護職員は七割を超え、四人に三人の看護職員が仕事を辞めたいと思いながら働いている状態である(日本医労連二〇一七年看護職員の労働実態調査)。また、介護現場では長時間夜勤の割合が九割近くに及び、グループホームなどの小規模施設では一人体制の夜勤が恒常的に行われている(日本医労連二〇一八年介護施設夜勤実態調査)。労働時間規制を含めた実効ある対策は、猶予できない喫緊の課題である。二〇〇七年に国会で採択された請願内容(夜間は患者十人に一人以上、昼間は患者四人に一人以上など看護職員配置基準の抜本改善、夜勤の月八日以内の規制など)を早期に実施するために、必要な人員確保が国の責任で実行されることを強く求める。また、国民誰もが安心して医療・介護を利用できるよう、保険料や一部負担金の負担軽減が必要である。
 ついては、安全・安心の医療・介護の実現のため、次の措置を採られたい。

一、医師・看護師・医療技術職・介護職などの夜勤交代制労働における労働環境を改善すること。
 1 一日かつ一勤務の労働時間八時間以内を基本に、労働時間の上限規制や勤務間のインターバル確保、夜勤回数の制限など、労働環境改善のための規制を設けること。
 2 夜勤交代制労働者の週労働時間を短縮すること。
 3 介護施設や有床診療所などで行われている「一人夜勤体制」をなくし、複数夜勤体制とすること。
二、安全・安心の医療・介護を実現するため、医師・看護師・医療技術職・介護職を増員すること。
三、患者・利用者の負担軽減を図ること。

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