請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 2633 件名 複国籍の容認に関する請願
要旨  複数国籍の容認は、日本人が世界で活躍する機会を増やし、在外邦人やその家族にとっても大きなメリットがある。世界に広がる日本人社会にとって複国籍の容認は大きなメリットとなり、日本国にとっても国際的な人的資源や情報資源あるいは経済的資源の確保に寄与する。欧米諸国が既に容認国であるように、複数国籍の容認は世界の潮流である。アジアにおいても韓国が二〇一〇年に容認に転じている。複国籍容認のデメリット(忠誠の衝突や外交的保護権の衝突等)も指摘されているところであるが、先進国で日本ほど不寛容な国はほかにない。こうした閉鎖性は世界で活躍しようとする日本人の可能性を阻み、低迷する日本経済を回復させるための障害となる。また、複国籍に寛容な国で法務省が指摘しているようなデメリットが社会問題になったことはなく、韓国も同様である。日本国民の複数国籍者は少なくともおよそ八十万人以上に達すると推定され、これは明らかに複国籍に不寛容な国籍制度の形骸化を証明している。日本国民の国際化は、必然的に、また将来的にも複国籍者を増大させていく。しかし、それが原因する社会不安などは起きていない。今こそ複数国籍を容認する方向で国籍法の形骸化を正すべきである。日本弁護士連合会も複数国籍の容認を求める意見書を公表している。また、二〇一六年には、蓮舫参議院議員の国籍問題に端を発し、複国籍者は国籍法違反者などと間違ったレッテルが貼られ、それをもとに就職の自由を阻害するような人権侵害、個人の出自を理由とした人種差別が見られるようになった。複数国籍の容認は、こうした被害者の救済、人権侵害や差別の防止という観点から喫緊の問題となっている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、形骸化した国籍選択制度を早急に廃止すること。
二、複国籍を容認している一方の国との相互主義的な複数国籍を容認すること。例えばオセアニア、欧米諸国等との相互主義的な複数国籍を容認すること。

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