請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 2594 件名 被災者生活再建支援制度抜本的拡充に関する請願
要旨  二〇一一年三月の東日本大震災では、多数の被災者が今なお応急仮設やみなし仮設住宅等での生活を余儀なくされている。二〇二一年二月、福島県沖を震源とする最大震度六強の地震により負傷者や住宅被害が発生し、今後も余震による被害発生など予断を許さない状況が続いている。また、二〇一九年の九州北部豪雨、二〇二〇年に九州地方や岐阜、長野、山形県など広範囲で大きな被害を出した豪雨、その後第九号、第十号と連続する台風、新潟県などで記録的な大雪の被害など台風や集中豪雨、豪雪が頻発し、多くの人命が犠牲になり、全半壊などの住宅被害が頻発している。被災者の最大の願いは、一日でも早く安心できる住まいや生活空間を得て、日常の暮らしを取り戻すことである。住宅再建は、一人一人の生活再建の要であり、地域全体の復興を左右する重要な公共性のある施策である。また、自然災害から国民の生命・財産を守る第一義的な責任は国と自治体にある。しかし、気象事業すら削られる実態があり、防災事業の整備・拡充、国及び自治体の体制強化・充実が求められている。被災者生活再建支援法(以下「支援法」という。)は、二〇二〇年十一月、自然災害で住宅が損壊した被災者への支援金の支給対象を中規模半壊(損害割合が三〇%以上四〇%未満)まで拡大する改正が行われた。また、被災者の要望・運動が、防災・安全交付金を活用し、半壊や一部損壊に支援金を出させるという前進を作り出している。現在、全壊家屋の再建には最大三百万円が支給されるが、建築資材や人件費等の高騰が自宅再建や住宅確保を更に困難にしており、五百万円への増額は急務である。自然災害による全半壊の住宅被害はもとより、一部損壊の認定を受けた圧倒的多数の被災者からも支援法の適用を求める悲鳴が上がっている。憲法第二十五条の生存権や第十三条の幸福追求権に基づき、全ての被災者の住宅再建を支え、従来の生活と生業を取り戻すために国による更なる支援が不可欠である。地球温暖化も影響した異常気象が発生し、地震の活動期に入っている日本では、大規模な自然災害が全国どこでも起きる可能性がある。
 ついては、支援法を始めとした被災者への支援制度を速やかに見直し、次の事項について実現を図られたい。

一、被災者生活再建支援法に基づく支援金については、少なくとも最高額は五百万円に引き上げること。
二、支援金の支給について、半壊や一部損壊を対象に含めるなど支給対象を拡大すること。また、小規模な自然災害にも支給できるよう適用条件を大幅に緩和すること。
三、当該支援金の財源について、国の負担割合を引き上げること。

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