請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 1527 件名 現下の雇用失業情勢を踏まえた労働行政体制の整備に関する請願
要旨  新型コロナウイルス感染症の拡大は一年たっても終息せず、年明けには二度目の緊急事態宣言が発令された。労働行政においては、雇用の安定を図るために雇用調整助成金や休業支援金だけでなく、小学校休業等対応助成金やテレワーク助成金などの様々な助成制度を担ってきた。さらに、職場で感染症に罹患(りかん)した労働者の労災補償給付や倒産企業における未払賃金立替払事業、感染症の影響による離職者の再就職支援など、今後も多くの業務が労働行政の双肩に懸かってくる。これまでも、政府は長時間労働の是正を始めとする働き方改革を最重要政策と位置付け、労働基準行政ではその実施を担っている。また、職業安定行政では就職氷河期世代への対応が求められ、窓口でのきめ細やかな支援を行っている。さらに、雇用環境・均等行政では非正規労働者の均等・均衡待遇やパワハラ防止の措置義務化など新たな重要施策を担っている。このコロナ禍において、労働者の雇用を確保し労働条件の整備と処遇の改善を図るには、労働行政の役割発揮が十全に求められている。こうした中、二〇二一年度の定員はほぼ満額査定となっているが、十分な増員となっていないため、急増する業務に対応できない状況に至っている。今必要なことは、政府の重要施策を推進し、労働者・国民の権利を守るため、労働行政体制の整備を図ることである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、雇用維持を図るための雇用調整助成金や休業支援金への対応が極めて重要である。また、安定所の窓口には職を失い、雇用保険失業給付の手続や求職活動を行う労働者・国民が急増し、その対応が急務である。さらに、就職氷河期世代への対応として、窓口でのきめ細やかな支援も求められている。一方、職場で感染症に罹患した労働者の労災補償給付請求が増え続け、今後、賃金未払のまま倒産する企業の急増も懸念され、監督署の役割がますます重要となる。あわせて、長時間労働の是正や脳心・精神事案等の労災請求事案への対応、石綿や化学物質暴露防止対策など政府の重要施策を担っていく必要がある。さらに、小学校休業対応助成金やテレワーク助成金、母性健康管理措置等に関する助成金など多くの助成制度を担っている労働局(雇用環境・均等部(室)等)では、同一労働同一賃金の実現やパワハラ防止の措置義務化など役割発揮が求められている。したがって、政府の重要施策を推進するため、労働行政体制の整備を図ることが必要である。
 1 新型コロナウイルス感染症への対応や政府の重要政策である働き方改革や就職氷河期世代への支援、同一労働同一賃金を実現し、労働者・国民の権利を保障するため、雇用・労働施策を充実させること。
 2 大幅に増加する行政需要に対応し、労働者・国民の権利保障を図るため、労働行政第一線の体制整備を行うこと。

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