請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 1476 件名 公務・公共サービス拡充に関する請願
要旨  今般の新型コロナウイルス感染症の拡大や令和二年七月豪雨災害を始め、毎年のように発生する甚大な自然災害などで、公務・公共サービスの脆弱(ぜいじゃく)性が改めて浮き彫りになった。国民の命や暮らし、安心・安全、権利を守る行政に対する国民からの期待は高まっている。しかし、それらに応える行政機関では、国家公務員が足りていない状況にある。それは、国家公務員の定員の上限が、行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)によって厳しく制限されている上に、定員合理化計画で毎年二%(五年で一〇%以上)ずつ人員が削減され続けているためである。その主な削減対象は、国民と直接向き合う地方出先機関の職員である。こうした下で、国民からの期待やニーズに応えたくても十分に応えられない状況に陥っている。一方で、脆弱になった行政体制を補完し、増加する行政ニーズに対応するため、非常勤職員が多く採用されている。その数は約八万人に上り、安定した行政運営に不可欠な存在となっているが、非常勤職員の処遇は、均等待遇も進まず劣悪で雇用も不安定(短期)であることから、官製ワーキングプアと批判されている。また、民間労働者には無期転換申込権が生じているが、公務で働く非常勤職員にはその権利すらも認められていない。期間業務職員の更新は、公募(基本三年に一回)を原則とするという運用が硬直的に行われていることから、パワハラ公募(人権侵害)と言われ、行政の専門・継続性にも悪影響を及ぼしている。以上の理由から、国民の命や暮らしを守るために、行政運営に必要な人員の確保と非常勤職員の安定雇用の実現によって公務・公共サービスを拡充することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)」を廃止するとともに、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針(定員合理化計画)」を撤回すること。
二、国家公務員の増員によって国民の権利と安心・安全を守るために必要な行政体制を確保すること。
三、非常勤職員の安定雇用を実現すること。そのため、以下の事項を実現すること。
 1 恒常的・専門的・継続的業務に従事する非常勤職員は、常勤化・定員化すること。
 2 労働契約法の解雇権濫用法理や無期転換制度と同様の制度を整備すること。 
 3 期間業務職員の更新に係る公募要件は撤廃すること。

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