請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 1308 件名 国立病院の機能強化に関する請願
要旨  新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ」という。)の感染拡大は、国民の生命と生活に深刻な影響をもたらした。医療現場では、患者を受け入れた病院の多くがその他の疾病の患者の受入れや治療ができず、病院本来の診療機能を果たせない状況となった。受診や入院が激減することで経営も圧迫され、民間病院ではこれ以上コロナ患者の受入れは困難との声も上がっている。正に国民の命を脅かす医療崩壊が叫ばれる状態に陥った。今こそ国立病院と国立高度専門医療研究センター(以下「国立病院」という。)の機能を強化させ、患者・国民の命を守るときである。現在、国立病院は、がん・救急医療等の地域医療、筋ジストロフィー・重症心身障害等の政策医療などと併せて、新興・再興感染症や大規模災害等国の危機管理に際して求められる医療などを提供し、地域医療を守る役割を担っている。ところが、国立病院の診療事業に対する国からの補助金(運営費交付金)は年々減らされ、現在は全く支出されていない。そのため、採算の取れない結核病床等は大きく削減され、医師、看護師などの医療スタッフも、ぎりぎりの人数しか配置されていない。その上、人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)等の備えも十分ではなく、これでは国民の期待に応えることはできない。医療崩壊を防ぎ、国民の命を守るための危機管理は、国の重要な責務である。
 ついては、新興・再興感染症の拡大、大規模災害等の緊急事態から国民と地域医療を守る万全の体制を取るために、次の措置を採られたい。

一、コロナ等の感染症や大規模災害から国民の命を守るため、国立病院を機能強化すること。
 1 国の責任において、国立病院に「新興・再興感染症対策」に十分に対応できる専門病床を設置し、人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)等の医療機器の整備を進めること。
 2 「大規模災害」等の発生時においても、患者・国民に万全な医療が提供できるよう国立病院の機能強化を図ること。
二、国立病院の機能強化を図るために、医師、看護師を始め、全ての職員を増員すること。
三、国立病院の機能強化に必要な財源は、国の責任で確保すること。

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