請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 1279 件名 全国一律最低賃金制度の実現に関する請願
要旨  全国労働組合総連合などが実施している最低生計費試算調査によれば、若者が自立して人間らしく暮らすには全国どこでも月額二十二~二十五万円(時給千五百円程度)が必要との結果が出ている。しかし、二〇二〇年度の地域別最低賃金改定では、七百円台が十六県、八百円台が二十三県あり、最高(東京都、千十三円)と最低(七県、七百九十二円)で、二百二十一円もの格差がある。憲法第二十五条が保障する、健康で文化的な最低限度の生活には不十分である。最低賃金の地域間格差によって、労働者は仕事と豊かさを求めて都市部に流出していく。その結果、地方の高齢化と過疎化が進み活力が奪われ、地域経済はますます疲弊し、逆に都市部では人口の過密化が一層進む。こうした実態を改善するには、地域間格差をなくすように制度を改善することが必要である。地域経済を支える主役である中小企業・小規模事業所など賃上げを実施することが困難な事業所に対して、最低賃金の引上げを保障する特別な財政措置が必要である。さらに、単価の不当な切下げなど大企業の下請いじめを正すとともに、原材料費などの諸経費と人件費が価格に適正に反映される仕組みの整備を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、全ての働く人に人間らしい生活を保障するため、最低賃金法を改正し、生計費原則に基づく「全国一律最低賃金制度」を実現すること。

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