請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 563 件名 新型コロナ禍に鑑み、カジノIR二法の廃止を求めることに関する請願
要旨  昨年、全世界にパンデミックを引き起こした新型コロナウイルスは、今年に入っても終息するどころか英国や南アフリカ、ブラジル等で次々と変異株が発見されるなど、更なるパンデミックのおそれが出ており、世界中の人々がこれまでと異なる生活様式を迫られている。この中で、感染を引き起こしやすい三密を前提としたカジノ事業は世界各地で苦境に陥っており、巨大な地上施設を使ういわゆるランド・カジノからスマートフォンでも賭けることができるようなオンライン・カジノへの移行を図っている業者も登場していると報じられ、ランド・カジノの収益に依存するIR(統合型リゾート)事業のビジネスモデルが問われている。かねてから横浜への参入を表明していた最大手の米国のカジノ事業者ラスベガス・サンズは、昨年、日本への進出を断念すると発表した。さらに、今年に入って本国ラスベガスでの事業の廃止も表明している。政府が毎年示している骨太方針の二〇二〇年版でも、「成長戦略の目玉」(安倍晋三前首相)としてきたIRについての記述が消えた。しかしながら、新型コロナ感染爆発の第三波が起きていた昨年十二月十八日に公表された「特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針」(基本方針)は、コロナ禍で当初より大幅に策定が遅れたにもかかわらず、コロナ前とほぼ同じ内容のままである。このため、誘致自治体では今年十月からの区域整備計画の認定申請に向けて、事業者選定などの業務に追われ、住民への新型コロナウイルス感染対策がおざなりになっており、コロナ禍以前に構想されたIRの推進が、新型コロナウイルス感染対策の阻害要因となっている、との指摘が市民から上がっている。政府は、IR関連法に基づいて設けられたカジノ管理委員会が付与する免許を取得した事業者には刑法の賭博罪を適用しないとしているが、基本的にカジノが賭博・ばくちであることに違いはない。ギャンブル(賭博)であるカジノは青少年の健全育成を阻害し、地元に負の遺産を残すおそれが強く、IR関連法が地域発展の最大の問題となっていることは明らかである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」と「特定複合観光施設区域整備法」を今国会で廃止すること。

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