請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 437 件名 国内農業を衰退させ、食料自給率を低下させる自由貿易協定を締結しないことに関する請願
要旨  日本国内の食料自給率は、三七%(二〇一八年)と長期的に減少傾向で推移しており、先進国中最低水準となっている。穀物自給率に至っては、百七十三か国中百二十四番目である。今こそ、家族農業を基調とする農業政策へ転換し、食料自給率の向上を目指すときである。しかし、日本政府による国内農業に影響を与える各国とのTPP、FTA、EPAなどの自由貿易協定の締結は、ますます食料自給率を低下させ、国民の健康を支える安心・安全な食料供給を脅かすものである。国連は、二〇一九年から国連「家族農業の十年」をスタートさせ、飢餓と貧困の克服、持続可能な社会のために家族農業の役割を再評価し、各国に政策転換を求めている。国内農業は、二〇一九年の農林水産省・農業構造動態調査によれば、農業経営体数は百十八万余りと減少が続き、特に家族経営体は百十五万程度と五年間で一四%もの減少となっており、このままでは、農村地域を維持することすらままならない。農業経営体の八割は、農産物の販売金額規模別における五百万円未満を占め、正に家族経営を土台にした地域農業の担い手であり、その減少が地域そのものを疲弊させる一因ともなっている。これでは稲作を始め、農業を通じた自然環境の保全・治水など、多面的機能の喪失にもつながりかねない。欧米では当たり前の家族的経営体の経営を下支えする政策として、最低価格の保障や農業者の収入を保障し、国民の食糧と地域経済、環境と国土を守ることが求められる。そして、国内農業を衰退させ、食料自給率を低下させるような自由貿易協定は締結せず、現行の協定を見直すことが必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国内農業を衰退させ、食料自給率を低下させるような自由貿易協定を締結しないこと。

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