請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 394 件名 福祉職員を増やし、賃金を引き上げることに関する請願
要旨  コロナ禍という緊急事態の中、介護や障害福祉、保育を始めとする社会福祉の現場では、感染させる・するリスクがあっても、東日本大震災や相次ぐ自然災害と同様に、利用者を原則的に受け入れることが求められた。社会福祉施設・事業には、住民の命を守り、暮らしや経済活動を支えるという公共性の高い重要な役割があることが社会全体の認識となっている。しかし、その現場で利用者のために奮闘している福祉労働者は、極めて劣悪な労働環境に置かれている。平常時でも、利用者の安全を守って一人一人に合わせた福祉を提供するための必要な職員数が足りていない。そのため、休憩も取れずに長時間にわたって働き続けているばかりか、休日を返上することも少なくない。また、賃金水準は月額で二十四万円程度と全産業平均の約七割にとどまっている。今は感染症対策の徹底も求められ、業務負担が更に増加している。福祉の仕事は三密が避けられずに常に感染リスクが高く、職員は大きなストレスを抱えている。それにもかかわらず、危険手当さえ支給されていない。これでは、職員は自分の健康と生活を維持して働き続けることはできない。その結果、福祉職場から離れていく職員が後を絶たず、住民の福祉要求に応えることができなくなっている。
 ついては、福祉労働者が求められている公共性の高い役割を発揮して、憲法第二十五条に基づいて住民の生きる権利を保障できるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、命を守り暮らしを支える福祉職場となるように、専門性を持った職員を常勤で大幅に増やすこと。
二、福祉労働者の役割を果たして働き続けられるように、危険手当の支給等も含め、賃金水準を引き上げること。

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