請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 33 件名 教育の無償化を目指して全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願
要旨  我が国の未来を担う子供たち一人一人に確かな学力を保障し、希望を育む豊かな教育を実現することは、国民の切実な願いである。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大は、学習時間を奪っただけでなく、大きな成長のきっかけとなる諸行事や人と人との関わりを絶つなど、子供たちの学びに深刻な影響を与えた。この大打撃から子供たちを救い、新たな生活環境の中で学びを保障するためには、少人数学級の推進、子供に直接向き合う教員の増員が急務である。国の三十五人以下学級は小学校一・二年生まで広がったものの、更なる拡大は見られず、地方自治体の努力によって少人数学級の整備が独自に進められている。様々な課題を抱える子供たちの増加や感染症等への対応からも、小学校から高校までの三十人学級の早期実現が強く望まれる。教職員の増員、障害児教育の更なる環境整備に向け、国がその責任を果たすべきである。また、授業料助成は、学費滞納による退学率の減少など一定の成果を上げている。しかし、所得に応じた助成であることから、教室内で新たな格差を生み、所得制限に該当するかどうかが子供の未来を左右するケースも見られる。次代の担い手である全ての子供の学びを社会全体で支え、教育の機会均等を保障する教育費完全無償化が求められている。働き方改革においても、現場の実態に即した児童・生徒と向き合う時間を確保するような実効的対策が求められている。児童・生徒が生き生きと学び、豊かに成長できるよう、教育条件が大きく改善されることを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、教育予算を対GDP比でOECD諸国並みに増額し、教育費完全無償化に向けて保護者負担の軽減を進めること。奨学のための給付金を改善し、誰でも利用できる給付型奨学金を制度として確立すること。
二、公立高校授業料無償化を復活し、私立高校生への就学支援金は、多子世帯の所得制限撤廃や、支給対象に施設設備費や入学金を加えるなど、制度を拡充すること。
三、標準法を改正し、国の責任で、小・中・高の全学年で三十人学級を早期に実現するとともに複式学級を解消し、教職員を大幅に増員すること。
四、私立学校への経常費助成補助を増額すること。
五、障害児学級・学校の教育条件整備を進めるとともに、障害児学校の設置基準を策定すること。
六、義務教育費国庫負担制度を維持・拡充するとともに、教科書無償制度を堅持すること。
七、耐震化工事を含めた学校施設の補修・改築を進めるとともに、東日本大震災や二〇一九年の台風十九号などの被害からの復興のための予算を大幅に拡充し、被災した子供たちが安心して教育を受けられるようにすること。
八、全ての学校に「専任・専門・正規」の学校司書を配置する制度を確立すること。
九、大学・短大・専門学校の学費負担を軽減すること。

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