請願

 

第204回国会 請願の要旨

新件番号 15 件名 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願
要旨  二〇二〇年四月一日施行の高等学校等就学支援金制度拡充は、年収五百九十万円未満世帯の私立高校に通う生徒の経済的負担を大きく減少させた。今回の施策により、高校進学に当たり私立高校を選択肢に挙げることができる中学生が増加し、私立高校の無償化へ大きく近づいた。文部科学省の調査による二〇一九年度の私立高校の学費は、全国平均で授業料約四十万五千円、施設整備費等約十六万九千円の合計約五十七万四千円となっている。二〇二〇年度からの制度拡充の対象外となった年収五百九十万円以上世帯の生徒には、就学支援金十一万八千八百円を除いた約四十五万五千二百円の負担がのしかかってくる。兄弟のいる多子世帯においては一層大きな負担となっている。国の制度拡充に伴い独自の授業料減免補助制度を改善した自治体が増加した一方で、制度を拡充しない自治体も出ている。また、私立高校初年度には全国平均約十六万三千円の入学金の負担が加わり、私立高校選択の障壁になっている。こうした点からも、年収五百九十万円以上世帯の学費負担軽減と私立高校の学費の自治体間格差を解消するために、支給対象拡大を始めとした就学支援金の拡充を求める。今般の新型コロナウイルス感染症拡大による未曽有の状況は、外出自粛を余儀なくし経済活動にも大きな打撃を加え、私立学校に通う子供たちの学費負担へも大きな影響を与えている。経済的な理由による退学が起きないよう、緊急の補助制度の創設を求める。高校生の三割を超える生徒が私立高校に通っており、私学は公教育として重要な役割を担っている。私学振興助成法の目的にのっとって、私立学校の教育条件整備と保護者の学費負担軽減のために、私立学校への経常費助成国庫補助額の大幅な増額を求める。二〇一七年度実施の私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援が実証期間の五年目を迎える。必要以上に個人情報を問うなど二〇一八年度から申請手続が煩雑化され、そのための申請数の減少を理由に、二○一九年度予算では削減されるという設立趣旨に反する事態となっている。どの年齢においても私学での学びが経済的な理由により阻害されることがないよう、教育予算の増額を強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、教育予算を増額すること。
二、保護者の学費負担軽減のために、支給対象の拡大、入学金を補助対象とするなど私立高校生への就学支援金制度を更に拡充すること。当面、私立高校生を含む多子世帯の所得制限を廃止すること。
三、新型コロナウイルス感染症による家計急変家庭への授業料、入学金の補助制度を創設すること。
四、私立学校への経常費助成補助を増額すること。

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