請願

 

第203回国会 請願の要旨

新件番号 834 件名 種苗法改正案の廃案に関する請願
要旨  農家の自家増殖を一律許諾制とし毎年新しい種子を買わせることは、自家増殖中心に農業を行ってきた農家に経済的負担を強いることとなり、ただでさえ食料自給率の低い我が国において、離農者を更に増加させることになりかねない。農家は長い年月をかけてその土地に合った作物を育てており、自家採種・自家増殖は農家の権利である。EUのような例外規定もないままこのような法改正を行えば、農家の権利を一方的に奪うことになる。また、この法案は優良品種の海外流出を防ぐことには役立たない。海外、特にUPOV条約締結国において海外流出を防ぐためには、その国で品種登録をするしかなく、海外流出を防ぐ目的での本法改正は不要ということになる。日本の育成者権は、現行の種苗法でも契約によって保護することが可能であり、この目的においても法改正は不要と言える。さらに、育成者権者の知的財産権を強化する本法案が成立すれば、現に種苗に関する多数の特許を持っている多国籍種子企業の権利をより強化し、日本農業への参入を容易にし、日本における種苗事業の独占化を強めることにつながる。日本では、遺伝子組換えやゲノム編集作物の審査基準が極めて甘いことから、多国籍種子企業による遺伝子操作された作物が国内に急速に広がり、食の安全が脅かされることも懸念される。種苗法改正案は、多国籍企業の権利を強化して自家増殖中心の日本農家の経営を危うくし、日本農業の弱体化につながることから、食の安全を求める消費者の願いに大きく逆行するものであり、強く反対する。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、種苗法改正案を廃案にすること。

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