請願

 

第203回国会 請願の要旨

新件番号 422 件名 種苗法改定案の廃案を求めることに関する請願
要旨  先の通常国会に種苗法改正案が提出されたが、札幌市議会や苫小牧市議会などにおいて慎重審議を求める意見書が採択されるなど、食の安心安全への懸念が広がり継続審議となった。政府は提案理由として、農家の自家増殖を規制することでイチゴやシャインマスカットなどの優良品種の海外流出を防げるとし、また、自家増殖は種苗会社が新品種を開発する意欲を失うため許諾制(許可制)にするとしている。しかし、二〇一七年十一月に農林水産省が「海外流出を防ぐには海外で品種登録を行うことが唯一の対策」と答えているように、自家増殖の規制では海外流出の防止にならない。今でも多くの農家は種苗費に多額の支出をしており、種苗会社は利益を求めて新品種開発にしのぎを削っている。現行の種苗法は、種苗を開発した育成者の権利(育成者権)と農家の権利(自家増殖)のバランスを考慮して作られた法律であり、改正する理由はない。育成者権と農家の自家増殖は車の両輪であり、どちらかに偏れば農業という車は走らなくなる。遺伝子組換えやゲノム編集の技術で品種改良を行えば、新たな育成者権が生まれ、農家は高額な種子代金を毎年支払い続けることになり、新たな負担となる。農家が自家増殖して育成してきた多種多様な品種と栽培技術が失われることは、気候変動などへの対応力を低下させ、日本の多様な食文化や食の安心安全を願う多くの消費者の願いにも反することになる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、種苗法「改定」案を廃案にすること。

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