請願

 

第203回国会 請願の要旨

新件番号 341 件名 レジ袋有料化及び無料配布禁止を義務付ける省令の中止又は一時中止を求めることに関する請願
要旨  令和二年七月一日より施行されたレジ袋有料化及び無料配布禁止を義務付ける容器包装リサイクル法の関係省令について、以下四点の理由により中止又は一部中止を求める。(一)レジ袋の環境への影響について、大臣の発言が変化した理由の説明がない。令和元年六月、当時の原田義昭環境大臣は記者会見で「レジ袋がプラごみに占める割合は多くないが、有料化は(削減の)象徴になる」と述べている。一年間でこの見解が「レジ袋がプラごみの主要な要因になっている」「有料化は象徴ではなく、確実に有効である」と変容した理由について説明がない。さらに、小泉進次郎環境大臣は、令和二年八月九日に「レジ袋の有料義務化の目的はプラスチックゴミの減量ではなく、プラスチックへの問題意識を持ってもらうことが狙い」と発言している。(二)レジ袋が地球環境に悪影響を及ぼすとされる科学的議論と根拠が足りない。環境省のホームページでは、レジ袋有料化の理由として、廃棄により海洋汚染の原因となっていること、製造及び廃棄で排出されるCO2を削減することで脱炭素社会の実現に有効であることの二点が挙げられているが、この理由に反するデータや考察も見受けられる。相反する観点から科学的議論が合理的になされているとは言い難く、地球環境へ悪影響を及ぼすと断定するには尚早である。(三)使い捨てのレジ袋が採用された歴史的経緯から現況とのそごが生じる。昭和三十年代までは、買い物籠に新聞紙や経木で生鮮食品を包んで持ち歩き、帰宅後、買い物籠をそのまま放置したために雑菌が繁殖し、衛生面においてトラブルの原因となっていた。その後、家庭での冷蔵庫の普及と共に新品のレジ袋を使い捨てにする習慣が定着したことで、衛生環境は劇的に改善された。現在日本では新型コロナウイルス感染症への対応として、マスク、手袋、透明シート、密回避など、様々な対策を取ることを事業者が迫られている中、使い捨てレジ袋を有料化し衛生面が疑われるマイバッグを推奨することは、歴史的経緯から見ても全く矛盾している政策である。(四)自由な商業活動への行政による介入は、日本国憲法違反である。レジ袋を有料にするのか無料で提供するのかは、事業者の経営方針、商品の性質、顧客対応や万引対策などから、事業者が自主的に判断すべきものである。そうした個別の事情を無視して、省令で一律にレジ袋の有料化を義務付け、無料配布を禁止することは、経済の発展を阻害し、日本国憲法で保障された経済的自由権の侵害である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、令和二年七月一日より開始されたレジ袋有料化及び無料配布禁止を義務付ける省令は中止又は一時中止すること。

一覧に戻る