請願

 

第203回国会 請願の要旨

新件番号 23 件名 JR留萌本線存続に関する請願
要旨  一九八七年四月に国鉄が分割民営化された際、JR四国・九州・北海道の運営は赤字になることが前提だったため、経営の安定を図るために経営安定基金が設けられた。しかし、低金利下において営業損失を補うために十分な運用益を得られず、経営の安定化が図られていない状況にある。その中でJR北海道は、いわゆる赤線区である留萌本線に廃止又はバス転換を提案している。しかし、ドライバーの高齢化からバスの運転手は不足しており、バス転換は簡単にはいかない。ヨーロッパ諸国の多くでは、公的予算を投入することで国民の権利を確保し、生存の平等性や生存権を保障する義務として、公共的サービスである公共交通(鉄道)の概念が理念化されている。日本も環境問題を含めて移動の権利を確保する必要がある。日本は、道路・港湾・空港を公共的インフラとして国の責任で整備している。鉄道も同じ位置にある。留萌本線沿線自治体に住む住民がどこにでも自由に移動できるという、憲法で定められている生存権としての交通権の保障が必要である。住民移動の制約は、日常生活や文化生活、社会参加・活動の貧困化を招き、個人の生存権が脅かされる(通院・買物・通学・通勤等)。国及び自治体は国民・住民の生存、地域の存続を保障し、全ての人に移動を平等に保障する責務を負う。鉄路廃止は、沿線自治体の過疎化を進め、地域社会の持続可能性の実現を困難にする。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国が中心的な役割を担い、道内各地を結ぶ路線の維持を図りながら、JR留萌本線の存続に向けて適切な措置を講ずること。

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