請願

 

第201回国会 請願の要旨

新件番号 1465 件名 トランス脂肪酸を義務表示とすることに関する請願
要旨  マーガリンやショートニングなどはサクサクとした食感を出したり、常温で固まるため扱いやすく、菓子パンやスナック菓子、揚げ物などに多用されているが、植物油に水素を添加し、製造される過程でトランス脂肪酸が生まれる。WHO(世界保健機関)・FAO(国際連合食糧農業機関)合同専門家会合は、二〇〇三年、心臓血管系の健康増進のため食事からのトランス脂肪酸の摂取を極めて低く抑えるべきとし、最大でも一日当たりの総エネルギー摂取量に対して一%未満とすることを勧告し、更なる規制強化を二〇〇九年に示している。デンマーク、スイス、オーストリアでは百グラム当たり二グラム以上のトランス脂肪酸を含んだ油脂の国内流通を相次いで禁止し、米国、カナダ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、韓国、香港、台湾、中国ではトランス脂肪酸の食品含有量表示を義務付けた。さらに、二〇一五年六月、米国の食品医薬品局は、トランス脂肪酸を多く含む部分水素添加油脂の使用を二〇一八年六月以降、禁止すると発表した。肥満やアレルギー疾患、胎児への悪影響など人の健康に有害であることが研究等で一層明らかになるにつれ、トランス脂肪酸の規制や表示義務化が世界的に広がっている。一方、日本では、二〇一五年四月から施行された新・食品表示法でもトランス脂肪酸は義務表示とならず、食品事業者任せで表示はほとんどされていないほか、男性より女性、また若い世代ほど摂取量が多いとの調査結果が出ている。政府が国民の健康増進を図るための施策を講ずるよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、トランス脂肪酸の健康に及ぼす悪影響について国民に広く周知し、食品含有量を義務表示とすること。

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