請願

 

第201回国会 請願の要旨

新件番号 794 件名 自家用有償旅客運送の拡大ではなく地域公共交通の充実を求めることに関する請願
要旨  二〇一九年六月、未来投資会議の答申を受けて決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一九(骨太の方針)において、自家用有償旅客運送を拡大し、そのための道路運送法改定法案を二〇二〇年の通常国会に提出する方針が閣議決定された。自家用有償旅客運送は、バス・タクシーのない地域で住民の利便のために例外的、限定的に運行されているもので、運転者に二種免許の必要はなく、運行前の対面点呼も義務付けられていないなど、安全管理がタクシーに比べて緩い制度である。これを無限定に誰でも乗せることができ、どこでも行えるよう拡大することは、利用者の安心・安全に重大な懸念が生じる。しかも、未来投資会議で竹中平蔵議員がこれをライドシェアの突破口にすると述べているように、違法な白タクを合法化するライドシェアの解禁につなげようとする意図が明白である。地方での交通不便は安心・安全な公共交通機関を活用し、バス路線の維持、乗合タクシーの充実などで解決すべきである。そのためには国の助成制度を改善し、補助金を大幅に増額する必要がある。また、障害者、高齢者らがタクシーを利用する際には運賃を補助する制度を国の責任で設けて、経済的な負担を軽くし、積極的に利用できるようにするべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、自家用有償旅客運送の輸送対象・地域等の拡大、道路運送法改定を行わないこと。
二、交通の不便な地域において、バス・タクシーを活用した公共交通を充実させるため、国の助成制度を改善し、補助金を大幅に増額すること。
三、障害者、病気療養中の人、高齢者、妊産婦らがタクシーを利用する際に運賃を補助する制度を国の責任で設けること。

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