請願

 

第201回国会 請願の要旨

新件番号 721 件名 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の見直しに関する請願
要旨  二〇二三年十月から事業者における消費税の経理方式の変更により、適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入される。消費税における仕入税額控除の要件を現在の請求書等の保存から適格請求書等の保存とする見直しで、適格請求書等保存方式の下では免税事業者は適格請求書を発行することができないため、課税事業者は免税事業者からの請求書では仕入税額控除をすることができなくなる。その結果、課税事業者にとっては免税事業者との取引分だけ消費税納税額が増加することになり、このため、免税事業者は取引相手の課税事業者から仕入税額控除できない分の値引き、課税事業者(適格請求書発行事業者)への転換、取引の終了を求められることになる。適格請求書等保存方式導入によるこれらの影響は、免税事業者及び免税事業者と取引する課税事業者という、いずれも零細事業者にのみ甚大な影響を及ぼし、免税事業者との取引がないような規模の大きな企業にこのような影響は発生しない。また、免税事業者の多くは個人事業主でかつ自身で現場に立ち、経理も行っており、仮に課税事業者に転換しても新たな消費税の経理という負担に対応することは非常に難しく、零細事業者は消費税の転嫁においても極めて弱い立場に置かれているのが現状である。免税事業者は国内におよそ五百万者存在し(財務省試算)、免税事業者と取引する小規模な課税事業者と共に地域の経済と雇用を支えている。適格請求書等保存方式の導入は課税事業者、免税事業者を問わず、地域の零細事業者を更に苦しい状況に追い込み、影響は事業者のみならず従業員やその家族の生活にも及ぶ。政府は、適格請求書等保存方式の導入意義について、軽減税率制度の下で適正な課税を確保するためとしているが、そのために五百万者の経営とその従業員や家族も含めた生活を危機に追いやる制度の導入は余りにもバランスを欠く。適格請求書等保存方式について、免税事業者が取引からの排除や値引き、課税事業者への転換を強要されないような仕組みに見直すことを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、適格請求書等保存方式について、免税事業者が取引から排除されたり、値引き強要等の影響を受けないような仕組みに見直すこと。

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